さぁ、連載インタビュー企画最終回は、カクサン部!のアイドルこと、わたくし、雇用のヨーコよ。今日は「就職活動」がテーマだけど、いつもと違って電話インタビューっていう形で、とある学生を質問攻めしちゃうわ。ふふふっ。
がちゃっ!がらがらじーっ・・・がらがらじーっ・・・がらがらじーっ・・・
とぅるるるるるっ!とぅるるるるるっ!がちゃっ!
もしもし?ヨーコよ。
あっ、ヨーコさん、こんにちは。
自己紹介して。
はい。W大学4年、ハヤイナダ マナブです。就職活動を終えたばかりです。ヨーコさん、今日はお手柔らかにお願いします。
ふふふっ。アタシがキビシーのは、ブラック企業や悪徳経営者だけ、安心して。でも、これから質問攻めするから覚悟してちょうだい!
はっ、はいっ!
では、マナブはいつから就活をスタートしたのかしら?
就活の本格解禁は大学3年の12月1日なんですけど、実際は7月くらいから動いてました。
どんな業界を考えて就活したの?
じつは、就活で、初めて自分のことを本気で考えて、ハタと困ったんですよね。多くの学生が同じだと思いますが、よっぽどどんな仕事に就きたいかがはっきりしている人以外は、とにかく片っ端からエントリーを出してみることになるんですよね。
たしかにそういうことを考える機会って、学校教育のなかでも少ないものね。ところで、エントリーシートには、どんなことを書くのかしら?
もちろん、フツーに「なぜウチの会社を選んだのか?」っていうような質問もありましたけど、なかには、「飲み会やパーティーを盛り上げる芸はありますか?」とか、「今一番腹立たしい人物はだれですか?」っていうような質問もありましたね。
何よそれ? 学生のこと馬鹿にしてない?学生に何を求めているのかしら!
―――で、エントリーシートはみんな何社くらい出してるの?
平均30社くらいって聞きました。エントリーシートって、1社あたりA4で5枚くらい書くんですよ。
うわっ。書くだけでたいへんね。でも、一生懸命書いて出しても、多くの学生がそこでもう切られちゃうんでしょ?
はい。面接までたどりつけないで、何社からも切られると落ち込みますね。
そうよね。マナブは、何社受けたのかしら?
12~13社くらいです。僕は少ないほうですけど、友だちは30~40社くらいは受けてますね。
やっぱり多いわね。
僕は結局、出版社をめざすことにしたんですけど、出版社って、大手でも10人くらいの採用しかないので、やっぱりなかなか受からなくて、他の業界も受けました。
受ける会社は、自分で探したの?
自分でも探しましたけど、12月1日の就活解禁になると、ものすごい数のメールが届くようになるんです。「マイナビ」とか「リクナビ」に登録しておくと、1日20通以上のメールがくる。僕は結局、合計5000くらいのメールを受け取りました。
学生が、年がら年中スマホや携帯を見てるのは、そういう理由もあるのね。
はい。会社説明会に参加できるのは早い者勝ちなんで、常にメールを見てないと不安になるというか、追われている感がありましたね。時間も精神的な部分でもかなり就活につぎ込むことになりました。
そうなると、大学の授業どころではないわね~。
4年のこの時期になってまだ決まっていない人は、かなりあせってますよ。何をやりたいのかがはっきりしていない人はなおさらで、授業どころじゃない。
そうよね。共産党は、学業と両立できて、学生の負担を軽くする就活のルールづくりを求めているのよ。それと、少なくとも卒業後3年間は「新卒扱い」として就職あっせんの対象とする、ってこともね。
共産党の宮本岳志議員が昨年国会でとりあげてたんだけど、就職の失敗が原因の20代の自殺者が、2007年の60人から2013年には150人に倍増しているのよ。こんなふうに学生を追いつめる「就活」って絶対におかしいわよね。
「就職うつ」だけじゃなくて、最近は、「内定ブルー」っていうのもよく聞きます。必死に内定取ったものの、自分が働きたい業界はホントにここでいいんだろうかって。「新卒扱い」が3年になれば、もう少しじっくり自分と向き合いながら就活できますね。
そうよね。共産党がこんどの参議院選挙での就職難打開をめざすための政策で言ってることは、「就職難は、学生、高校生の責任ではなく、経済社会のあり方にこそ問題がある」ってこと。
就職できないのは自分のせいだって追い詰めちゃう友だちも多いんですよね。共産党が学生を応援してくれる立場で政策を出してくれてるのは、うれしいです。
新卒者の求人が減少している大もとには、景気悪化だけじゃなくて、非正規雇用の拡大があるのよ。安倍首相は「5月は前年同月比60万人の雇用が増えている」とかいってるけど、その内実は、非正規雇用労働者の増加。
このあいだ、志位委員長の演説で聞いたんだけど、正規労働者でみれば、昨年4月―6月期平均の3370万人から、今年5月には3323万人と50万人近くも減少してるのよ。一方で、パート・アルバイト、派遣などの非正規の労働者は、1775万人から1891万人へと100万人以上の激増。これじゃ、正規の採用枠が狭き門になっていくのは当たり前よね。
最近の就職氷河期は、雇用政策にもその原因があったんですね。
そうなのよ。だから、共産党は、非正規を大幅にふやすことになった諸悪の根源、1999年の労働者派遣法の抜本改正を求めてるのよ。それに、若い人たちの正規雇用に就きたい思いを利用してひどい働かせ方をするのが「ブラック企業」。こっちもホントに許せないわ。
僕の先輩でも、正社員になったはいいけど、長時間労働でたいへんそうです。
そうでしょ~。アタシもそういう働かせ方をする会社はさんざん見てきたわ。苦労して就活してやっと就職できたのに、すぐに退職に追い込まれてしまうなんてつらいわよね。今こそ「働くルール」をつくって、働き方そのものを見直すことが大切よ!
充実した仕事もしながら、自分の生活も楽しみたいです。
そうよね。最近、共産党や学生たちの運動によって、大学・経済界・政府の三者協議が実現したの。いま、その三者協議に学生の参加も求めているわ。
もっと、僕たち学生の声もいかした雇用政策をすすめてほしいです。
そうね。学生の思いを受けとめて、政治の力で就職難の打開や就活のルールづくりをめざしてがんばるわ。就活生たちの想いを、カクサ~ン!
がちゃっ!ぷーっぷーっぷーっ・・・・
※実在の大学生(名前は仮名)へのインタビューをもとに構成しています。