保育問題資料保育所は働く親に必要な施設であるとともに、子どもの成長のうえで大切な場です。 面積基準引き下げ多くの母親が保育所は「子どもが集団生活の中で必要なことを身につけられる」(「とてもそう思う」67・3%)、「仲間がいる環境は子どもの成長にとってよい」(63・9%)と考えています(ベネッセ次世代育成研究所、2011年)。 この期待にこたえて、子どもが仲間や保育士とともにのびのび成長できて、安心して預けられる環境をつくることは国や自治体の責任です。しかし国や自治体の役割が弱まる「新システム」のもとでは、保育の質の悪化も心配です。 これまで認可保育所では、国が決めた施設や職員配置の最低基準を、全国どこでも守らなければなりませんでしたが、地方まかせのしくみにしようとしています。施設の面積や職員配置は全国一律の「従うべき基準」にするといいますが、すでに民主党政府は今年4月から、待機児童の多い35自治体で面積基準も引き下げられるようにしています。今でさえ定員以上の子どもでギュウギュウの状態がいっそう悪化するのではと、不安の声がひろがっています。 企業が自由に参入また0~2歳児の待機児童は、もっぱら認可外保育所や小規模な保育施設を増やすことで解消しようとしています。保育に関係のない企業でも自由に参入できるようにします。これでは園庭もない、雑居ビルやアパートの一室の保育がどんどん増えることになりかねません。もうけのため人件費が切り詰められれば、保育士が働き続けることも難しくなります。 子どもが一日の大半をすごす保育所には、一定の広さや遊び場、調理室などの設備とともに、経験ある保育士、子どもや親との安定した信頼関係が必要です。 2012年03月22日「赤旗」 |
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