保育問題資料政府は「新システム」で株式会社などの参入をすすめることも、待機児童解消につながるといいます。しかしこれも解決の保障にならないだけでなく、多くの問題が指摘されています。 「もうけ」がないと株式会社などの参入を増やすために、さまざまな「規制緩和」が計画されています。その一つは、施設や保育士配置など一定の基準を満たせば、だれでもどんな事業者でも参加できる制度にすることです。撤退も3カ月前に予告すれば自由です。 企業はもうけが見込めるところには競って参入しますが、もうけがあがらなければ当然、撤退します。倒産することもあります。つい数年前、首都圏で多くの保育所を経営していた株式会社が、突然、すべての施設を閉鎖しました。保育の補助金を他の事業に流用し続け、資金繰りの悪化でついに倒産したからです。保護者は突然、子どもの預け先を失いました。 企業だのみの保育では不安定なことは明らかです。また子どもが少ない過疎地域では、参入する事業者がいない事態も起きるでしょう。 「新システム」は企業参入をすすめるため、保育料や補助金から利益をあげて株式配当や保育以外の事業に回すことも認めようとしています。補助金「流用」が堂々とできることになるのです。 財界や大企業要求もともとこうした制度は、保育をもうけの場にしたい財界・大企業が長年、要求してきたことです。子どもと親の権利を守ることより大企業の利益を優先させ、保育をもうけの場にすることを許してはなりません。 これでは、たとえサービスの量が増えたとしても、安心して預けることはできず、国民の願う待機児童の解消とはほど遠いものです。 2012年02月23日「赤旗」 |
●「子ども・子育て新システム」は子育ての安心と希望を奪う 2012年2月2日
●待機児童問題を解決し、安心して預けられる保育を実現するために 2010年4月30日 |