保育問題資料「新システム」では、保育料の仕組みも大きく変わります。父母の負担が増えるのではと不安がひろがっています。 軽減策の保障なし現在の認可保育所の場合、市町村が保護者の収入に応じた保育料を決めて徴収もしています。保育園の運営費は保育料徴収にかかわりなく、子どもの数に応じて市町村から保育所に支払われます。市町村が保育に責任をもっているからです。 「新システム」では、保護者が保育所と直接、契約する仕組みにするため、保育料も施設に支払うことになります。 保育料の額は、定率負担では低所得家庭の負担が重いという批判を受け、収入に応じた基準を残すことになりました。 しかし現在は、国が決める保育料の基準が高すぎるために、ほとんどの市町村が国基準の約5割から8割くらいまで下げています。市町村の責任が後退する「新システム」で、こうした軽減策が続く保障はありません。 しかもこの基本の保育料以外に、入学金や制服、教材など実費の徴収や、特色ある教育などを理由にした上乗せ料金もとれることにしています。 これらをあわせると、保育料が大幅に増える恐れがあります。今でも子育て世代の収入が減り、保育料が払えない家庭が増えていますが、これまで以上に支払い困難な家庭が増えるでしょう。 親の収入で格差がしかも「新システム」では、集めた保育料と市町村の補助金で運営することになるため、保育料の未納が直接に経営にひびきます。そうなれば未納者や未納の恐れのある低所得の家庭に、口実をつけて入園を断ったり、退園をうながす事態もおこりかねません。 親の収入で子どもの保育に格差をつけ、必要な保育を受けられなくするような制度は、絶対に許すわけにはいきません。 2012年03月15日「赤旗」 |
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