保育問題資料政府は「新システム」で、いろんなサービスを自分で選んで利用できるようになると言っていますが、どうでしょうか。 希望どおりに選べるためには、希望者以上の施設やサービスの量が必要です。しかし前回までにみたように、「新システム」で待機児童が解消する保障はありません。 一番の問題は、そもそも認可保育所が足りないことです。旧自公政府と民主党政府が必要な認可保育所をつくってこなかったからです。ここをしっかり変えなければ、選べない状態はそのままになってしまいます。 逆に「選ばれる」?しかも「新システム」では、保育所の入所に自治体が責任をもつしくみから、保護者が施設と直接契約するしくみになります。利用者決定を施設がおこなうことになるので、ちゃんと利用料が払えるか、手のかかる子かどうかなどで、逆に施設から選ばれることにもなりかねません。 一方で、「選べる」メニューを増やす方向も出されています。一定の基準を満たした認可外保育施設や、公共施設の空き部屋やビルの一室などを利用した定員20人未満の小規模保育、保育ママによる定員5人までの家庭的保育、ベビーシッター型の訪問保育などです。(表参照) 認可保育所を基本とする方針をやめて、基準も形もさまざまな「多様な保育サービス」を増やしていこうというのです。とりわけ待機児童の多い0、1歳児をここにゆだねる方向です。 水準低くするもの認可外保育施設などへの支援はもちろん必要ですが、認可保育所で守られてきた施設や設備、保育士の数、資格などの基準より低い水準でよしとするのでは、安易に「安上がり」保育をひろげるだけです。 こうした形でサービスを増やすことでは、どの子も平等に健やかにという父母の願いを実現することはできません。 2012年02月29日「赤旗」 |
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