政府は待機児童対策のためといって、保育制度を変えて「子ども・子育て新システム」をつくろうとしています。 |
「新システム」では、市町村の保育の義務をなくし、保育園探しが親の「自己責任」にされます。待機児童が多い地域では大混乱がおきてしまいます。申し込みも保育料の支払いも直接施設になるため、手のかかる子や低所得家庭が、別の理由で断わられる恐れも。 |
保育の基準を地方が決めるようにし、基準を下げて待機児童を減らそうとしています。また政府は、ビルの一室などの小規模保育や個人宅での保育ママを増やしたり、営利企業の参入をひろげて待機児童をなくすといいます。保育の補助金を株主配当にまわすことも認めました。もうけ優先、保育環境の引き下げでは、犠牲になるのは子どもたちです。 |
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保育所経営にのりだした企業が"思ったようにもうけがあがらないから"と撤退することも自由にしようとしています。「今日で保育園は閉園」...実際に株式会社経営の保育園でこんな例がありました。保育から大切な安心と信頼が奪われてしまいます。 |
基本の保育料のほかに、入園料や制服代、教材費や、特別に手あつい保育などを理由にした上乗せ料金まで徴収することが認められます。決められた保育時間を超えたら割増料金の徴収も。保育料は青天井にふくれあがり、お金の差で保育に差がつけられることにも。 |
政府が待機児童解消の目玉とする幼稚園と保育所の「一体化」。しかし強引な「一体化」に反対が多いため、結局、一体型の「総合こども園」は0~2歳児は受け入れなくてもよいことに。これでは0~2歳児が8割以上を占める待機児童はなくなりません。 しかも市町村の保育責任をなくしてしまうために、市町村が待機児童の解消に責任をおわなくなり、待機児童数さえつかまなくなることも。 |
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国・自治体が保育に責任をおわなくなる「新システム」では、待機児童の解消も、安心して預けられる保育も実現できません。父母、国民の願いと反する「新システム」関連法案は撤回を求めます。「新システム」でなく、国と自治体の責任で認可保育所を計画的に整備すれば、待機児童をなくし、安心して預けられる保育の充実をすすめることができます。 |