保育問題資料「子どもがわずらわしくていらいらしてしまう」――専業主婦の6割近くがこんな思いを抱いています。仕事をもつ母親より育児不安が高い傾向にあります(ベネッセ次世代育成研究所調査2010年)。それだけに、気軽に相談でき、保育や支援が利用できるようにしてほしいという願いはほんとうに切実です。 「新システム」では、"専業主婦やパートで働く人たちも利用できる"とさかんにいわれてきました。でも結局は、働き方などによって利用できるサービスは分けられ、誰でも同じに利用できるわけではありません。 市町村の認定必要 保育の利用には、市町村から「保育の必要性」を認定してもらうことが必要です。仕事をしている、求職中、病気や介護、災害復旧中などで、父母のどちらかが働いていないと利用できないのは現在のしくみと同じです。 またパートで働く人にとっては、利用できる保育時間が限られるしくみになります。今はフルタイムでもパートタイムでも保育所が開いている時間のなかで預ける時間を柔軟に決めていますが、「新システム」では、働く時間で保育時間が決められてしまい、パートだと「週○時間」といった枠内でしか預けられなくなるのです。一人ひとりの子どもの保育時間がバラバラになって、生活リズムが乱れたり、みんなで行事の準備ができなくなるのでは、という不安の声も出されています。 一時預かりにも差 専業主婦家庭などが用事や通院、リフレッシュなどのために利用する一時預かりも、政府は「すべての乳幼児と保護者を対象」にするといってきましたが、市町村がそれぞれの条件におうじてすすめるメニューのひとつにとどまりました。これでは住んでいる市町村しだいで取り組みに差がうまれてしまい、利用できる保障はありません。 2012年03月01日「赤旗」 |
●「子ども・子育て新システム」は子育ての安心と希望を奪う 2012年2月2日
●待機児童問題を解決し、安心して預けられる保育を実現するために 2010年4月30日 |