2025年4月7日(月)
主張
大阪万博まで1週間
安全に懸念 今からでも中止を
13日に半年間の予定で開幕する大阪・関西万博まで1週間です。ガス爆発の危険や大赤字の可能性など致命的問題点を抱えたまま破綻の淵に立たされています。無法なカジノ開設のため国民無視で進めてきた自公政権と維新、財界の責任が問われています。
最大の問題は安全性です。会場の人工島・夢洲(ゆめしま)の建設現場で起きた昨年3月のメタンガス爆発事故により、廃棄物最終処分場で開催する危険性が改めて浮き彫りとなりました。同12月調査でもガス抜き管からここ数年で最多の1日あたり約3トンのメタンガスが発生しています。
万博協会は「飲食店舗は火気厳禁」と言っていたのにプロパンガスの使用を認めています。ガス濃度測定や換気などを行うとしますが、そんな危険な場所に2820万人も集めて開こうとすること自体が問われています。
■国民負担増の危険
それだけに学校単位の参加に保護者や教職員から不安や懸念が広がり不参加校が相次いでいます。夏場を迎えて熱中症の危険なども必至で、安全といえない万博への学校参加は中止しかありません。
国民負担増の危険に直面していることも重大です。開幕1週間前でも累計販売枚数は約870万枚にとどまり、1400万枚の前売り目標の約6割です。万博の運営費1160億円の8割は入場券収入でまかなう計画で、1840万枚が販売できなければ住民に負担が転嫁される恐れがいよいよ強まっています。
想定来場者数を2820万人と大風呂敷を広げて「3兆円の経済効果」とぶちあげたものの、過大な目標で幻想にすぎないことは明らかです。しかも会場建設費は350億円の大屋根リングなどが追加され、当初の1250億円から約2350億円へと約2倍に膨張。このほか会場周辺のインフラ整備と道路など会場アクセスなどに計8520億円もかかるなど、膨れ上がるばかりです。
大阪市は介護保険料が全国一高いなど、住民の暮らし置き去りで、万博につぎ込む姿勢が厳しく問われています。
■自民党の補完勢力
会場を夢洲に決めたのは、維新が「大阪経済の起爆剤」と称する「カジノ・IR」の誘致とセットで大企業などの収益拠点をつくるためです。
当初、会場案に夢洲はありませんでした。万博誘致を決めた当時の安倍晋三首相や菅義偉官房長官との会談(2015年末)を受け、当時の維新・松井一郎知事がカジノ誘致推進のため夢洲を万博会場にねじ込みました。維新府・市政と財界はカジノと一体の「夢洲2期開発」を打ち出していますが、自民党府政時代に失敗した大阪湾岸開発の過ちを繰り返すものです。ここでも維新が自民党の補完勢力であることを示しています。
日本共産党は、危険で無法なカジノと一体の「夢洲万博」中止を当初から求めてきました。今からでも開催中止を求めます。同時に来場者や従業員らの安全を守ること、国民・住民への犠牲転嫁をやめることを求めます。開催中に行われる参院選で万博・カジノ推進の自公政権や維新に厳しい審判を下すときです。