2025年4月7日(月)
トランプ政権に抗議
全米1300カ所超 最大規模
“民主主義に手をつけるな”“退陣を”
【ワシントン=洞口昇幸】米首都ワシントンで5日、トランプ政権に対する大規模な抗議デモが行われました。中心部に多数の市民が結集し、「(民主主義や大事な権利・制度に)手を付けるな」「トランプ(大統領)は退陣せよ」などのシュプレヒコールを繰り返しました。
![]() (写真)トランプ米政権への抗議デモに結集した市民=5日、ワシントン(洞口昇幸撮影) |
行動は、他の米主要都市でも行われ、国内外1300カ所以上で同様の抗議行動がありました。主催団体の事前の参加登録者数は約60万人で、第2次トランプ政権発足後では最大規模だといいます。
トランプ大統領は1月20日の就任直後から大統領令を連発して、移民の大量強制送還、ジェンダー平等や多様性を否定する政策転換などを強硬に推進。実業家イーロン・マスク氏に「政府効率化省」のトップを任せ、連邦政府職員の大量解雇、教育・医療分野や社会保障などの公共サービス削減を進め、広範な国民に不安を広げてきました。
対外政策では重要な国際協定や国際機関からの一方的離脱、国連や国際法を無視したウクライナ問題での停戦交渉や極端なロシア寄りの姿勢が、国内外から批判や危惧の声を浴びてきました。
首都中心部のワシントン記念塔周辺では、「米国よ目を覚ませ、ファシズムが到来している」「差別する者は愛国者ではない」「富裕層に課税を」などの横断幕やプラカードが見られました。
中西部ミズーリ州から参加した男性(35)は耳が不自由であることを明かし、「トランプ政権が医療や社会保障の制度、公共サービスを削減しようとし、マスク氏とともに寡頭制(少数の権力者の支配)のように政策を強行するのは許せない。高関税政策も物価上昇につながらないかと心配だ」と語りました。
友人と参加したオルガ・ルーディさん(63)は「ウクライナの解放が米国をより安全にする」とのプラカードを掲げていました。「ロシアによるウクライナへの侵略戦争を早く終結させて平和になってほしい。しかしロシアの占領を容認するような合意を目指すなら国際社会の悪例となる。これからもトランプ政権に対し声を上げていくし、声を上げる人を増やしていきたい」と述べました。