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2025年3月22日(土)

731部隊の人体実験「資料ない」はウソ

公文書を示し追及

参院予算委 山添議員

写真

(写真)質問する山添拓議員=21日、参院予算委

 日本共産党の山添拓議員は21日の参院予算委員会で、アジア・太平洋戦争中に細菌兵器開発と細菌戦を行った旧日本軍731部隊(関東軍防疫給水部)の人体実験を裏付ける公文書を示して、同部隊の「活動の詳細を示す資料がない」としてきた政府の欺瞞(ぎまん)を暴き、歴史に向き合って事実を認めるよう迫りました。

 山添氏が明らかにしたのは、致死性の毒ガス「キ弾」の人体実験での神経障害、嘔吐(おうと)など被験者の症状を記録し、表紙に「キ弾射撃による皮膚傷害並に一般臨床的症状観察他」「陸軍軍医中佐 池田苗夫」と書かれた文書。山添氏は、同文書は防衛省防衛研究所で保存されているとして、同文書の「経歴票」には、戦史室長らの押印のもと、池田氏が731部隊に所属していたことや1964年に同文書を寄贈したこと、「人を使用して行った試験の成績であり、得がたい貴重なもの」との「所見」が記されていると指摘しました。

 「人体実験を行っていたことを示す公文書ではないか」との追及に中谷元防衛相は、同文書は「公文書管理法に基づいて管理されている」と公文書であることを認めました。

 山添氏は「これまでうその答弁をしてきたことになる」「証拠を隠して国会と国民に偽りを述べてきた責任は重大だ」と厳しく批判。文書の内容を「真正かどうか確認できるすべもないので、隠していたわけでない」と強弁した石破茂首相に対し、「私たちが謝っても謝ったことにならない」「政府に本当のことを言ってほしい」と訴える元731部隊少年隊員の苦しみの声を突き付け、「一個人が負うにはあまりにも大きい過去だ。加害の事実を真摯(しんし)に検証し、事実を認めよ」と迫りました。