2025年3月16日(日)
主張
大軍拡反対の署名
平和と暮らしを守る大運動を
「9条改憲NO!全国市民アクション」と「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」は、「税金はくらしの拡充に 戦争準備の軍拡は中止して、憲法、平和、いのち、くらしを守る政治への転換を求める請願署名」(略称=大軍拡反対請願署名)を発表し、取り組みを全国に呼びかけています。
■軍事費か暮らしか
いま、まさに「大砲かバターか」が迫られる状況です。
石破茂政権の2025年度予算案は、大軍拡をすすめる一方、国民の暮らしには冷酷です。軍事費は前年度比で9・5%増、8000億円増の8・7兆円を計上しています。社会保障費1・5%増、文教・科学振興費1・4%増などが物価上昇率以下なのに比べ、突出した軍事費優先です。さらに23年度からの5年間で43兆円に膨張させる計画で、増額分だけで20兆円近くになります。
「大軍拡反対署名」は、これに真正面から反対し、平和と暮らしを守る国民運動です。
強い批判を受けて政府が凍結した高額療養費の負担引き上げ計画は、すべて撤回しても公費負担は1580億円です。事業所の閉鎖など深刻な問題を引き起こしている訪問介護の基本報酬の引き下げを元に戻すのに必要な予算は50億円です。国立大学の学費引き上げを中止するのに100億円あればよく、1000億円があれば国公私立大学、専門学校の学費値上げも回避することができます。
一方、軍事費は敵基地攻撃能力の保有が重視され、極超音速誘導弾の製造態勢の拡充2391億円、戦闘機(F35)11機2052億円、潜水艦から発射する誘導弾30億円などが並んでいます。戦闘機1機を削るだけで、介護報酬を元に戻し、国立大学の授業料値上げを回避できます。
「大軍拡反対署名」が、「憲法にもとづき平和的生存権を実現する政治」を求めているのも注目されます。いま自公政治のもとで、すすめられている大軍拡は、日本の防衛のためでなく、アメリカ言いなりに、中国との軍事緊張を高め、戦争の危険を大きくするものです。
石破首相はトランプ米大統領との会談で、「27年度より後も抜本的に防衛力を強化していく」との共同声明を出し、「(軍事費は)必要であればGDP(国内総生産)2%を超えることはある」と国会答弁しています。こうした巨額の軍拡を許せば、国民の暮らしにいっそうの犠牲を強いることは明らかです。
■政治を動かすとき
これまで改憲勢力が衆参議席の3分の2を占めていたもとでも、国民は草の根から「憲法改悪を許さない」などの署名に取り組み、改憲発議を許してきませんでした。いまこそ大軍拡反対、暮らしを守れの声をあげ、政治を動かすときです。
19日には国会で「大軍拡反対署名推進のつどい」が開催されます。ことしは参院選もたたかわれ、日本の進路が問われます。大軍拡と戦争への道ではなく、憲法を生かした平和と暮らしを守る政治の実現をめざしましょう。大軍拡反対署名を国民的に大きく広げることを呼びかけます。