2025年1月29日(水)
教員不足に背 定数9000人減
13年度以降の定数減 計4万人に迫る
2025年度予算案
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公立学校の教員の長時間労働が問題となるなか、石破茂政権は現場が最も強く求めている教職員定数の拡充に背を向け、2025年度予算案に9000人近い削減を盛り込みました。自公が政権に復帰して予算を編成しだした13年度以降の定数減は計4万人に迫ります。
公立小中学校の教員の1日の労働時間は22年の文科省調査で平均約11時間半(持ち帰り残業含む)。長時間労働は教員の健康を脅かし、教員のなり手不足にも拍車をかけています。
ところが、石破政権は25年度予算案に、少子化を口実とした「自然減」で5638人減、学校統廃合で1760人減など大幅な定数減を盛り込んでいます。
さらに「特例定員」の廃止分4331人減を加えると定数減の合計は1万4584人に達します。特例定員は、公務員の定年引き上げに対応するため単年度限りで特別に手当てされる定員で、増えた翌年度は同数の定員が減らされます。
文科省は、特例定員で定数がかさ上げされた24年度は特例定員を定数増に含め「13年ぶりの定数純増」と宣伝したのに、25年度は特例定員の廃止分を定数減に含めない姑息(こそく)なことをしています。
一方、文科省が25年度予算案の概算要求で当初求めていた7653人の定数改善は、財務省との折衝で5827人に圧縮。その結果、定数改善と定数減の差し引きでは8757人の大幅減となっています。