2024年2月3日(土)
囲碁第49期新人王戦 本戦トーナメント表決まる
藤沢・福岡・張が「ビッグ3」
本紙観戦記者 品田渓さんに聞く
囲碁の第49期新人王戦(しんぶん赤旗主催)は予選が終了し、1月22日までに16人が本戦に進出。17人の本戦シード棋士と合わせて33人の本戦出場者が決まりました。抽選により、本戦トーナメント表も決まりました。本戦出場者の特徴と、展望・見どころを、本紙観戦記者の品田渓さんに聞きました。
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まず、女性棋士は今回5人、本戦初出場は8人です。全体として、トップと下位の実力差が小さく、わずかな差で勝敗が決まることが多くなると予想します。AIを使った研究が一般的になり、とくに序盤の研究はだれでもやりやすくなり、棋力の底上げがされてきているのが大きいと思います。
そのなかでも、実績などからみて一番注目しているのは、藤沢里菜七段(25)です。新人王戦はラストチャンスなので、期するところはあると思いますし、前期の上野愛咲美新人王に続き、2期続けての女性新人王の誕生の可能性は、十分あると思います。
ただ、藤沢里菜七段は、これまで新人王戦では、なぜかあまり活躍できていません。とはいえ、普通に考えれば、優勝候補の筆頭でしょう。
次に注目しているのは、福岡航太朗五段(18)です。早くから注目され、入段以来、毎年昇段してきました。新人王戦でも毎年優勝候補と目されてきました。とくに、国際棋戦でトップ棋士を破っており、ポテンシャルの高さは折り紙つきです。
ただ、藤沢七段と福岡五段は、ともに勝ち上がると準々決勝で激突します。どちらがベスト4に残るか、大注目です。
もう一人、「ビッグ3」をあげれば、張瑞傑六段(25)です。前期ベスト4で、47期準優勝の大竹優七段を破って勝ち上がったこと、現在棋聖戦Bリーグに所属していることは実力を示しています。ちなみに、藤沢七段が所属しているのは、Bリーグより下のCリーグです。
もう一つ、張六段は故・高林拓二七段門下なのです。高林門下は、これまで新人王を富士田明彦(38期)、許家元(40期)、外柳是聞(46期)と3人輩出している、「新人王戦の名門」です。
なお、注目されていた藤沢七段と仲邑菫三段との対局は、仲邑三段の韓国棋院への移籍にともない、対局ができなくなったと聞きました。藤沢七段が不戦勝で2回戦に上がることになります。
棋士には、だれでも調子の波があるものです。先にのべたように、実力差が比較的小さいため、調子がよいときに当たれば、格上の相手を倒すチャンスは大いにあり、熱戦が期待されます。
出場資格
予選開催年の9月1日時点で、年齢は25歳以下、段位は六段以下。本戦抽選時までに七大タイトルを獲得した棋士は、出場できません。また、新人王のタイトル獲得は、1回限りです。