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2023年8月21日(月)

「艦砲ぬ喰ぇ残さー」歌碑10周年

非戦願いコンサート

沖縄・読谷村

写真

(写真)でいご娘らの演奏とはやしに合わせてカチャーシーを踊る人たち=19日、沖縄県読谷村

 沖縄戦で家族を奪われた痛苦の思いを刻み、非戦の願いが込められた民謡「艦砲(かんぽう)ぬ喰(く)ぇー残(ぬく)さー」の歌碑がある同県読谷(よみたん)村楚辺(そべ)で19日夕、歌碑建立10周年の記念コンサート(楚辺自治会主催)が開かれました。

 米軍の猛烈な艦砲射撃をはじめ数千万発ともいわれる砲弾が県民の頭上に降り注いだ沖縄戦。砲撃の嵐の中を生き延びた人たちは、「艦砲の食べ残し」を意味する、しまくとぅば(沖縄の方言)に例えられました。

 「艦砲ぬ喰ぇー残さー」は、戦争で妻子を失った楚辺出身の故・比嘉恒敏(こうびん)さんが作詞・作曲しました。比嘉さんは戦後、時計修理工の傍ら、再婚してもうけた4人の娘に歌を教え、民謡グループ「でいご娘」として世に出したところ、人気を博しました。

 しかし、その最中の1973年、米兵の飲酒運転事故によって比嘉さんは妻とともに命を奪われました。戦後も米軍基地あるが故の苦難にさらされ続けた沖縄の歴史にまつわる歌でもあります。

 コンサートでは、でいご娘やKiroroの金城綾乃さん、地元の子どもらが歌、郷土芸能を披露。フィナーレは、カチャーシー(沖縄の伝統的な踊り)で盛り上がりました。

 歌碑建立に尽力した男性(89)は、平和だからこそみんなが笑顔でいられると語り、「戦争をしてはいけないことは、絶えず発信していかなければ」と話していました。