2023年2月12日(日)
なんだっけ
日本海寒帯気団収束帯って?
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Q 豪雪をもたらす「日本海寒帯気団収束帯」(JPCZ)って?
A 朝鮮半島の付け根付近から日本列島まで長さ数百キロメートルにかけて発生する、幅数十キロメートル程の発達した帯状の雲域です。JPCZとは、英語表記で「Japan sea Polar air mass Convergence Zone」の頭文字をとったものです。冬季の日本海上でしばしば発生します。
Q 発生メカニズムは?
A 日本列島は、冬季になると西にシベリアの高気圧が、東に低気圧が位置する冬型の気圧配置になります。この高気圧と低気圧が発達し気圧差が大きくなると、寒気とともに風が強まります。シベリアの高気圧から吹く冷たい風は、朝鮮半島の北部に位置する高さ2千メートル級の白頭山によっていったん分断され、風下である日本海の上空でふたたび合流します。風と風がぶつかることで、対馬暖流が流れる日本海から大量の水蒸気が供給され、雪雲が発達しやすいJPCZが形成されます。JPCZが山などにぶつかる地域では、豪雪となり太平洋側にも雪が降ります。
Q その他の特徴は?
A 最近の研究からJPCZは、いったん発生すると、寒気が弱まっても持続することが分かっています。大気へ供給された大量の水蒸気は雲となり、強い上昇気流が発生します。上昇気流に引っ張られるように海上風がさらに強まることで、暖かい日本海からの水蒸気の供給量も増加し、JPCZがより強化されるという構造が維持されます。(図参照)
(2023・2・12)