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2022年11月17日(木)

インボイス導入中止を

エンタメ業界 “廃業・衰退招く”

 来年10月からの実施が狙われているインボイス(適格請求書)制度の中止を求める声優、アニメ、演劇、漫画の業界に関わる有志でつくるエンターテインメント4団体が16日、東京都内で記者会見を開き、この日設立された超党派の議員連盟の公開ヒアリングに臨みました。また、日本俳優連合(西田敏行理事長)が14日に制度施行中止を求める声明を発表しました。


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(写真)「弱いものをさらに追い詰める、インボイス制度の見直しを」と訴える、エンタメ4団体の有志=16日、東京都千代田区

 各団体が10、11月に取り組んだアンケートでは、回答者の半数が年収300万円以下、2割がインボイス導入で廃業せざるを得ない・廃業を検討していると答えています。

 「インボイス制度について考えるフリー編集(者)と漫画家の会」代表で漫画家の由高(ゆたか)れおんさんは、制度導入で漫画業界に必要不可欠なアシスタントの収入の減少が加速すれば、漫画家のなり手が減り、日本の漫画産業の衰退の原因の一つになりかねないと危惧。「世界に誇る『クールジャパン』を守りたいなら一刻も早い延期・中止をしてください」と声を詰まらせ訴えました。

 「インボイス制度を考える演劇人の会」代表世話人で劇作家・演出家・俳優の丸尾聡さんは、コロナ禍による公演の延期・中止や賃金の低迷、物価高騰のなか「インボイスが覆いかぶさってきたら人が辞めてしまう。日本の文化・芸術の未来は先細ってしまう」と語りました。

 「VOICTION」共同代表で声優の岡本麻弥さんは「消費者から消費税をねこばばしていると誤解されている『益税』論が庶民同士の分断を招いている。事業者の売上金であって、預かり金ではない」と強調しました。

 「アニメ業界の未来を考える会」の植田益朗さん、大塚雅彦さんがアニメ事業者の立場からインボイス中止を訴えました。