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2022年11月12日(土)

COP27inエジプト

アフリカ助けて 貧困状態に洪水追い打ち

先進国に責任 補償を要求

NGO・政府代表ら訴え

 北アフリカのエジプトで開催中の国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)は「アフリカのCOP」とも呼ばれています。会場では、アフリカ諸国の環境活動家や政府関係者らが人びとの生存をかけ、温暖化対策の強化を訴えています。(エジプト・シャルムエルシェイク=秋山豊、写真も)


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(写真)サダト・ララさん

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(写真)ゴドウィン・アデタンダさん

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(写真)ロマリック・ヘネさん

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(写真)ガルバ・ザカリさん

 9日、会場でサイドイベントを開いた三菱UFJ銀行に、アフリカの環境活動家が、仏エネルギー企業の主導でウガンダとタンザニアを結ぶ「東アフリカ原油パイプライン(EACOP)」の建設計画を支援しないよう求める場面がありました。ほかにも、アフリカの若者らが気候正義を求めてデモをするなどさまざまな取り組みを行っています。

1億人近く貧困

 「私たちを助けてください」。アフリカ西部ナイジェリアの環境活動家、サダト・ララさん(26)は、切実に訴えます。「貧困に苦しむナイジェリアが洪水に襲われ、家や農地が被害を受けています」

 同国の人口は約2億1140万人。世界銀行は、貧困状態の人は今年中に9500万人にとどくと予測しています。

 貧困にあえぐナイジェリア国民の命を、温暖化がさらに危険にさらしています。今年は、大雨による洪水で600人以上が死亡。国連によれば推定84万人の子どもが住んでいた場所を追われました。

 隣国カメルーンも洪水被害を受けています。同国の環境活動家、ゴドウィン・アデタンダさん(39)は、水源や衛生施設が損なわれることで、コレラやチフスなどの感染リスクを懸念しています。

 アフリカは気候変動の影響を強く受けていますが、二酸化炭素の排出量は世界全体の4%程度です。

団結し権利守る

 ブルキナファソの政府代表団の一人、ロマリック・ヘネさんは温室効果ガスを大量に排出している先進国の責任を追及します。

 「COP27はアフリカ諸国が団結し、私たちの権利を守るためのチャンスです」。ヘネさんは、先進国による温室効果ガス排出量の大幅削減と、アフリカ諸国が温暖化の影響とたたかえる資金を求めて各国と交渉すると言います。

 洪水被害が深刻なニジェール環境省のガルバ・ザカリさんは「穀物が減り、牧草地も被害を受け、人びとの生計手段も少しずつ失われています。アフリカの声と要求が交渉結果に反映することを望みます」と述べ、アフリカは気候変動による被害と損失の補償を先進国に求めていくと話しました。