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2022年11月12日(土)

きょうの潮流

 新型コロナ感染症が流行し始めた2年前の春。生活のあり方が大きく変化しました。在宅での記者活動の日もあり、荒れ放題の小さな庭の手入れをするように▼いま庭では、シュウメイギクが風にゆられてお辞儀をしてくれます。ノブドウの実はトルコブルーや紫色に輝き、ヘンリーヅタは赤く色づいた葉を落とし始めました。コロナ前の仕事の仕方にほぼ戻った今も、季節の移ろいを感じる時間はいとおしい▼英国・北アイルランドの豊かな自然の中での家族との暮らしをブログで紡いだダーラ・マカナルティさん(18)。『自閉症のぼくは書くことで息をする 14歳、ナチュラリストの日記』(近藤隆文訳)で、自然の中に身を投げ出すとき、自分らしくなれると語っています▼〈ぼくが望むのは鳥の歌、あふれんばかりの羽ばたき、/虫のハミング、もう毒や破壊はいらない。/成長のための成長は、終わりにしなければ。/ぼくの世代は目にできるのか、本来の/反乱を?〉環境活動家でもあるダーラさんはこう訴えます。「自然の世界を愛するだけでなく、守ることがぼくら全員の務めだ」▼エジプトでいま、COP27(国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議)が開かれています。危機的な温暖化に対しどう責任を取るのか、問われています▼ダーラさんは自然に気づくことがすべてのスタートだといいます。足を止め、耳をすまし、目をこらす。新たな発見は喜びをもたらします。庭ではミモザやクリスマスローズが花芽をつけています。