2022年8月25日(木)
最低賃金 22道県上積み
求められる全国一律1500円
最低生計費 地域差なし
今年の地域別最低賃金(時給)改定は、人口を加味した全国加重平均で31円増、現行の930円から961円となる地方最賃審議会の答申となりました。地域間格差を1円拡大する中央目安に対し、労働者・労働組合の声と運動によって、22道県で1~3円上積みを実現し、2円の格差縮小に逆転させました。
![]() (写真)最賃大幅引き上げを求めて会見する愛労連パート臨時連絡会の人たち=7月24日、名古屋市 |
中央目安から上積みする地域は昨年の7県から大幅に拡大。とくに低額地域のDランクではランク内トップの福島以外すべて上積みしました。
沖縄と並んで全国最下位の高知では、高知県労連の牧耕生書記長と現場組合員が、地方最賃審議会で意見陳述しました。
牧氏は、最低生計費調査で、高知市で生活するには時給1665円が必要だと試算し、東京の1664円とまったく差がなかったと強調。ガソリン価格が全国でもっとも高騰していると訴えました。
この結果、3円上積みで東京との差を221円から219円に縮めました。答申に、中小企業支援の政府要望が記述されるようになり、物価高騰への対応、社会保険料の減免措置にも言及されました。
山梨ではBランク地域でも1円上積み。神奈川、静岡、山梨3県に展開する生協のユーコープ労働組合が、3県の最賃格差の影響でパート時給に格差があることを全労連の記者会見などで訴えました。
3・3%の最賃引き上げでは、生活必需品4%以上の物価高騰にも追いついていません。地方での上積みは、単年度目標も示さず、格差と貧困を拡大させる岸田政権の方針にノーを突き付けたものです。
全労連の最低生計費調査では、全国どこでも時給1500円以上が必要です。最賃を全国一律制にあらため、中小企業支援とセットで1500円を実現することが求められます。(田代正則)
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