2022年7月20日(水)
住宅近く巨大格納庫
沖縄米軍 嘉手納基地に計画
町議会 全会一致撤回要求
米空軍第18航空団が、嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)内に巨大な整備格納庫の建設を計画していることが明らかになりました。建設場所は住宅地に近接する区域であり、同県嘉手納町議会は19日、計画の即時撤回を求める決議と意見書を全会一致で可決しました。
![]() (写真)米空軍嘉手納基地の「パパループ」と呼ばれる区域=19日、沖縄県嘉手納町 |
嘉手納町によると、建設されるのは「防錆(ぼうせい)整備格納庫」で、航空機の機体のさびを防ぐために洗浄したり塗装したりする施設。既存の防錆整備格納庫が同基地内の北側滑走路付近に設置されていますが、E3早期警戒管制機など大型機には対応できていません。そのため大型機にも対応できるよう施設を大規模化するとし、既存施設を「パパループ」と呼ばれる住宅地に近い区域へ移設する計画です。高さは約30メートルで、2棟整備するとしています。
嘉手納基地では、戦闘機の飛行訓練や外来機が大挙して飛来するなどして住民への騒音被害が深刻化しています。「パパループ」では航空機のエンジン調整音が昼夜を問わず鳴り響き、排ガスの悪臭が漂うなど町民の日常生活に悪影響を及ぼしており、町は「パパループ」の使用停止を米軍に求めています。
町議会で可決した決議・意見書は、こうした状況の中で新たな大規模施設が整備されることについて「基地被害の増大が容易に予想される」と批判。「計画は断じて容認できない」とし、即時撤回を求めています。
整備格納庫建設について、日本共産党の田仲康栄・元嘉手納町議は「基地機能の強化であり絶対に許されない」と批判。「パパループ」から住宅地まで近いところで約50メートルしか離れていないと指摘した上で、洗浄剤などに有害物質が使われる可能性もあり、薬品などがどう処理されるかも不明であることから地下水や土壌、河川の汚染が懸念されるとし、「住民の被害が増大する。計画は中止すべきだ」と話しました。