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2022年3月31日(木)

きょうの潮流

 明日から新年度が始まります。自分で選んだ新たな進路を歩み始める子どもたちが、幸せな日々を過ごせるよう願ってやみません▼コロナ禍のもと我慢を強いられた2年余。卒業式で「思い描いていた高校生活は送れなかったけれど、オンライン文化祭など自分たちで工夫した経験は今後の財産になった」とあいさつする卒業生がいました。困難な状況を切り開いた発想と行動力に学ばされます▼4月には現在20歳の成年年齢が引き下げられ、18歳から「おとな」になります。高額商品のローンなどさまざまな契約が、親の同意なく自分の意思で結べます。この春大学生になる人からは「自分で決められることが増えるのはうれしいけど、急に“おとな”といわれても実感がないし、詐欺被害などが不安」という声も▼社会経験が少ない若者は犯罪者に狙われやすく、「簡単に稼げる」と誘惑する投資詐欺や、就職活動の不安につけ込んだ悪徳商法などに注意が必要です。特に今はコロナ禍によるアルバイト減、オンライン授業での孤独感などで、危険性が高まっていると専門家は警告します▼ある高校教員は「授業でも伝えているが詐欺の手口は次々に変化し、より巧妙になっていく。最新の情報提供とともに相談しやすい雰囲気づくりが大切」と指摘します▼「自己責任」が強調される社会で、被害にあった自分を責める人は多い。新成人を社会全体で守り、支える環境づくりが求められます。「助けて」と言えずに苦しむ若者を生まないために。