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2020年5月2日(土)

きょうの潮流

 大方の人は、すでに覚悟しているでしょう。政府は1日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の延長方針を固めました。延長幅は1カ月程度、全国一律での延長となる見通しです▼ただ、地域によっては再延長の可能性も高い。1918年から20年にかけて流行したスペイン風邪は発生から終息まで約1年半。新型コロナとのたたかいも、長期戦は避けられないとの見方が強まっています▼人と人との接触を極限まで避ければ、理論上はいつか感染が途絶えます。しかし、人は生きるために働き、収入を得なければなりません。子どもたちは学校や保育所に、高齢者は介護施設に通わなければなりません。集団の中で生きることが、人間の人間たるゆえんです▼世界各国を見ても、接触減少と経済・社会活動との両立で模索が続いています。大量の死亡者が発生した欧州では新規感染者の減少傾向が続き、都市封鎖の緩和や、経済活動の一部再開に踏み出しましたが、今なお多くの死亡者が出ています▼一方、アフリカで最多の感染者が出ている南アフリカでは貧困層が職を失い、略奪や暴動が多発。都市封鎖の段階的解除に踏み切らざるを得なくなりました▼日本ではどうか。1人10万円の現金給付を盛り込んだ補正予算が成立しましたが、国民の命と健康、生活、生業(なりわい)を守るには、あまりに心もとない金額です。緊急事態宣言を延長するなら、生活の保障も継続する―。政府が腹を固めない限り、長期戦をたたかいぬくことはできません。