住民の利益守って
日本共産党員市町村長が語る
町民の知恵と力集め
兵庫・南光町長 山田 兼三さん
二十四年前に就任するまでは同和問題が大変で町民は自由にものもいえず、福祉や教育、生活環境整備は大きく遅れていました。私は「町民が主人公」を信条に、町民と力をあわせて、明るく住みよい町民本位の町づくりをすすめてきました。
二十二年前に始めた歯科保健センターによる町民ぐるみの歯科予防・治療活動は、国の「8020運動」(八十歳を迎えても二十本以上の歯を残す運動)の発祥地として有名になりました。
十五年前に休耕田対策として始めたヒマワリ栽培は、十五万人が訪れる「ひまわり祭り」や特産品「ひまわり油」など農業振興にも役立ち、「ひまわりの郷」として町のシンボルになりました。
伝統文化を復活させた「子ども歌舞伎」は、農村舞台を使って二年に一度、全国フェスティバルや民俗芸能祭がおこなわれるようになりました。
上下水道整備はほぼ100%と近隣町と比べても大きくすすみました。小中学校の整備、ナイター設備も備えた総合運動公園、保健・福祉の拠点「センターひまわり」など住民生活を支える施設の整備はほぼ完了といえるところまできました。
お年寄りや障害者が病院などに外出するさい、自宅から目的地までワゴン車で送迎する「ひまわりサービス」を二年前に始めましたが、毎月のべ五百人以上に利用され大変喜ばれています。
心がけてきたのは、思想信条の違いを超えて力をあわせることと、そのために開かれた行政運営をつらぬくことです。
どんな問題でも町民に知らせて意見や要望を反映させるとともに、一度決まったことでも改善になるものであれば積極的に取り入れてきました。
町議会でも、議員のみなさんの質問時間は制限なしでとことん議論をつくすことに徹してきました。与野党問わずいい提案なら一緒にやっていくことが町民のためになるからです。手間もかかり大変なことですが、そうしてこそガラス張りの行政運営ができるし、町民の知恵と力をくみつくすことが町民本位の施策を進める保障だからです。
就任以来、汚職事件などが一つもないのも、そのおかげだと思います。
合併賛成が多数を占めた住民投票の結果を受けて南光町は来年十月、近隣の佐用町、上月町、三日月町と合併します。
《データ》 2004年9月7選 人口約4500人 議会定数12 党議員2人 |
合併協議のなかで、ひまわりの郷づくり、ひまわりサービス、歯科保健センター活動、子ども歌舞伎など、町独自の施策は合併後も継続されることになりました。
こうしたサービスを継続・発展させていくためには、歯科保健センターでも人員体制の拡充などが課題になっています。南光町民だけでなく他の町民にとっても喜ばれる新町づくりに貢献していきたいと考えています。
聞き手・深山直人記者
(2004年12月23日(木)「しんぶん赤旗」より)関連記事
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