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那須久司さん.jpg対極の党と一致こんなに

宮崎県・自民党日向支部青年部長 那須久司さん

 現在の日本経済の行き詰まりは、雇用者賃金の減少・横ばいが続く中で可処分所得が伸び悩み、内需が冷え込んでいることが原因です。そのような今、消費税を上げるのは、消費の減退を加速させかねず、反対されている日本共産党とも一致するところです。

 共産党とは4年前から宮崎県委員会主催の演説会やシンポジウムに参加するなど交流を深め、馬場洋光さん(県委員会書記長)とも同世代で親しくさせてもらっています。

案外現実路線

 共産党とのかかわりは、2007年の参院選で私たち自民党が後退してしまったことに始まります。なぜ受け入れられなかったのか、自民党と一番対極にあるとされる共産党はどうなのか、興味があって小池晃さん(共産党政策委員長)の演説会(08年7月、延岡市)に参加しました。

 共産党に対して誤解というか昔からのイメージがありましたが、話を聞いてみると一致できるところがある。対話する中で、相いれないと考えてきた自衛隊と憲法の問題でも案外、現実路線なんやないかと知ったのです。

 08年リーマン・ショックの折、「大変なことになる。自民とか共産とか言っている場合じゃないよね」ということで、共産党シンポジウム「景気悪化から県民生活をどう守るかを考える」のパネリストを引き受けました。

 正社員を非正規に置き換えていった結果、不況で歯止めなく大量の失業者を生む事態を招いた「小泉構造改革」の誤りをはっきり認識したのはこのような時です。共産党とは違い、私たち自民党は派遣労働の実態を把握していなかったのです。

 労働者とその技術は価値であり、好不況によって左右されるコストであってはならないと思い知らされました。これはマルクスの『資本論』に通じるところがあると思います。コストから価値に代えるために企業にも努力が求められます。

誰にでも価値

 日本人は勤勉さと実直さに根差した技術育成を糧に世界有数の資産を築きました。大企業は短期的な視野でのリストラや雇用減に走るのではなく、人材育成に力を入れなければならない。大企業のため込む内部留保を活用すべきだとの共産党の主張は示唆に富むものだと思います。

 その意味では、橋下徹大阪市長の「できない者には去ってもらう」というやり方に賛同できません。人それぞれ頑張るために目標を見いだせるようにするのが、上に立つ者のすべきことです。誰しも自分に価値があると認めてほしいはず。その思いを伸ばすことが、人材をつくる教育の在り方だと思います。

 聞き手・写真 岡素晴( 2012年3月16日付)


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