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新基地反対、全沖縄の声

沖縄県子ども会育成連絡協議会会長 玉寄哲永さん

 沖縄県議会が全会一致で可決した「米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対し、環境影響評価書の提出断念を求める意見書」(昨年11月14日)に対し、私を含む県内19人が〝オール沖縄〟で賛同アピールを発表しました。

確固たる意志

 県民の一人として、私はこの訴えを誇りに思います。沖縄県民は「辺野古ノー」の確固たる強い意志を示しています。にもかかわらず日本政府は米国政府にへつらい、何が何でも辺野古に基地を造ろうと執着しています。これは、民主主義の否定と権力の乱用であり、到底許せるものではありません。

 普天間基地を辺野古に移すことで「沖縄の負担軽減」だと言い張りますが、ただの〝模様替え〟でしかありません。日米政府のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意から15年以上がたっても、一貫して基地を造らせていない県民の思いを真摯に受け止めるべきです。

 九州地区の中・高校生による「ジュニア・リーダー大会」を沖縄で開催したとき、辺野古の海にウミガメの赤ちゃんを放流する自然体験をしました。子どもたちはきれいな海に感動し、涙していました。自然は一度壊したら取り返しのつかないことになります。私たちは、次世代に対し辺野古の美しい海を守る責任があるのです。

米追随脱却を

 1995年の米兵による少女暴行事件に抗議する県民大会で、私は壇上から「沖縄の子どもが傷付けられながら、アメリカにモノが言えないなんて、一体どこの国の政府か」と糾弾しました。2008年の米兵による女子中学生暴行事件のとき、私は実行委員長として「米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会」(同年3月23日)を開き、米軍優先の地位協定の改定を強く求めました。しかし政府は、「米軍に運用改善を求める」との回答に終始しました。

 昨年1月、成人式帰りの與儀功貴さん=当時(19)=が米軍属による自動車事故で殺されました。日米両政府は日本側の第1次裁判権行使要請に対し、米側が「好意的考慮」を払うとする地位協定の運用改善で合意しました。これでは、基地あるがゆえの平和と人権に対する侵害から、子どもたちを守れません。

 日本はアメリカの植民地ではないのです。政府は米国追随から脱却し、堂々とモノのいえる立場にたつべきです。未来ある子どもたちの豊かな成長のために、私たちは今こそ意志を一つに、新基地建設反対の運動を大きく巻き起こすときです。

 聞き手・写真 沖縄県・星野淳(2012年1月23日付)

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