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日本共産党

大槻憲雄さん

命・文化の源守る共同を

JA長野中央会会長 大槻憲雄さん

 環太平洋連携協定(TPP)に参加すれば、国民の命を守る上で、大変な事態を招くことになります。国の形を変えるどころか、この国をつぶしてしまうことになるんじゃないかと危惧しています。

信州の風景に

 日本は、四季折々の気象条件や、入り組んだ地形の中で、さまざまな農産物が作られています。なかでも長野県は農業適地で質・量ともにおいしい農産物を育んでいます。

 米は国民の命と文化の源です。農山村の風景を見るとどうでしょう。アルプスの山々を背景にした、米づくりの風景は私たちに安心感のようなものを与えてくれます。そういう風景が、この信州の地にはあります。しかし、長野県は中山間地農業が多く、千曲市姨捨にある棚田のような、近代的な農業が不可能な土地もあります。

 JA全中が呼びかけたTPP反対署名を、一大県民運動にしようと、県内の農林漁業・医療など31団体にも協力をお願いし、県内人口215万人のうち、61万人に応じていただきました。署名の原動力になったのは、「国民の命をつなぐには、TPPの参加は許されない」という思いではないでしょうか。

 昨年、菅首相が「TPP参加検討」を表明したときには、TPPがいったいどういうものなのか、よくわかりませんでした。県内各地でTPPとは何かを学ぶ学習会をしながら、署名運動に取り組みました。

 署名を始めた3月に、東日本大震災と原発事故に見舞われて、「こんなときに、署名活動をやっていていいのか」ということが頭をよぎりました。

震災被害見て

 しかし、津波被害や放射能に汚染された土地を見るなかで、「国民の食料を将来にわたって確保しなければ」との思いで署名運動に取り組みました。

 TPPの問題では、日本共産党とも共通点があります。日本の国をどうつくっていくかという問題なので、ひきつづき国民の「食」と「くらし」と「いのち」を守るために取り組んでいきます。

 聞き手 長野県・渡辺雅浩(2011年12月28日付)

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