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川下三業さん.jpg米軍移転反対、党派超え

鹿児島・中種子町長 川下三業さん

 馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転断固反対の私の意思は不動です。庁舎の正面に掲げた「米軍移転反対」の大きな垂れ幕がその象徴です。

 中種子町から馬毛島までわずか13㌔。町が8カ所で開いた説明会では「畜産への爆音被害が心配」「防衛省は島の上空は通らないと説明するが、冬場の北西の季節風で町の北部上空を通過することになる」などと住民の怒りの声が相次ぎました。反対署名は短期間に5000人を超え、人口の58%に達しています。

国の姿勢に怒り

 種子島と屋久島の1市3町の首長、議長などでつくる「米軍基地等馬毛島移設問題対策協議会」は10月、住民の過半数が署名し、地域外を含めると7万人にのぼる署名を防衛省に届け、中止を要請しました。

 7万人署名は、伊藤祐一郎県知事をも動かし、知事も11月に反対を表明しました。ところが、政府はその直後に馬毛島移転の関連経費の予算案計上を表明、強行突破の構えです。私たちの怒りは頂点に達し、協議会はただちに防衛省に厳しく抗議したのは言うまでもありません。

 馬毛島で滑走路造成工事を進める開発会社タストンエアポートは森林法違反の伐採や開発条件以上の違法な工事を繰り返し、地元漁師らが工事差し止めを求める訴訟を起こしています。同社は政府が予算計上の意向を発表した途端、工事を中断しました。タイミングがよすぎます。反対運動の鎮静化を狙ったもので油断大敵です。

 私の妻の両親は馬毛島に移住した開拓農民で、妻は島の小中学校を卒業しました。美しい夕日が沈む馬毛島には特別の思いがあります。政府が断念するまで断固反対の決意です。

TPPで町崩壊

 町は、耕地面積が県下最大のサトウキビ栽培と畜産の町です。サトウキビ23億円、畜産15億円、サツマイモ6億円など農業粗生産額48億円で、農業関係の就業者が全体の7割を占めます。

 TPP(環太平洋連携協定)参加で関税ゼロになると、サトウキビとでんぷんは安い外国産に100%かわります。町は崩壊するでしょう。TPP参加は断固反対です。

 日本共産党が米軍訓練移転反対、TPP反対などで住民の利益を守って奮闘する姿に敬服しています。党派を超えて力を合わせる時です。

 聞き手 鹿児島県・村山智通信員(2011年12月15日付)

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