生活破壊と対決する党
「市民への総攻撃『市政改革プラン(素案)』に対してあらゆる手段でノーの声を広げよう」。5月14日、日本共産党大阪市議団が市民向けに開いた報告決起集会で北山良三団長の声が響きました。
中央政党の橋下人気へのすり寄りが目立つ中、政党として正面から対決してきたのが日本共産党です。4月5日に「市政改革」の「試案」が発表されて以来、市民とともに撤回を求める運動を広げ、橋下氏のごまかしを暴いてきました。
5月11日発表の「素案」は、「試案」から若干修正されたものの、3年間で488億円もの市民向け施策・事業を削減するもので、敬老パスの有料化、赤バス運営費補助の削減、非課税世帯からの保育料徴収、新婚家庭家賃補助の廃止など全世代への攻撃であることには変わりません。
過剰にあおる
橋下氏は「毎年約500億円の収支不足」を市民施策切り捨ての根拠にしてきました。しかし、平松前市政の財政試算では「収支不足」は年間約110億円程度。橋下氏は「収入の範囲で予算を組む」とした上で、不用地売却の収入(年間百数十億円)などの補てん財源をあえて「収入」に計上せず、過剰に「財政危機」をあおっているのです。
「試案」を審議した5月1日の市政改革特別委員会―。井上浩市議は市民施策を守るために補てん財源の活用を要求しました。
井上氏は、現時点での市の財務リスクが大きいのは失敗した阿倍野再開発事業の穴埋めがあるためだが、2019年度以降はその負担も減少すると指摘。市の借金である市債の残高は減り続ける一方、借金返済のために積み立てている「公債償還基金」(12年度見込みで4220億円)は今後も増え続けるとの見通しを示し、基金を適切に活用するよう求めました。
他党の市議も
その上で「市民生活を守るために財政をどうやり繰りするのかとの発想がない」と橋下市政を批判しました。
同じ委員会では、他党の市議からも「市民のニーズを忘れた数字合わせだ」などと批判的な質疑が目立ち、「維新」市議でさえ「市民負担は最後の選択」と言わざるをえませんでした。
日本共産党は各委員会で、市民の声を代弁しながら「敬老パス有料化で利用者が減れば、高齢者が閉じこもり、健康や生きがいにも影響する」(北山団長)、「赤バスの必要性は今後いっそう増す」(尾上康雄市議)と活発に論戦を展開し、「改革」の道理のなさを明らかにしてきました。
世論は確実に動いています。
大阪市民への世論調査では、今年2月には7割とされていた橋下市長支持が「毎日」(6月5日付)では54%に低下したと報じられました。
(第1部おわり)
(第1部は、北野ひろみ、豊田栄光、藤原直が担当しました)
(「赤旗」2012年6月15日付)
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