2024年12月18日(水)
主張
政策活動費の廃止
裏金も闇金も許さぬ世論の力
「裏金も闇金も許さない」という世論の力が一歩動かしました。与野党が提出していた政治資金規正法の再改定案などの一部が衆院本会議で可決されました(17日)。自民党は、日本共産党、立憲民主党など7党が共同提出していた政策活動費の廃止について受け入れました。政策活動費を温存する新たなブラックボックスである「公開方法工夫支出」も断念せざるを得ませんでした。
政策活動費は政党から政治家個人への「渡し切り」で、その先の使途は一切不明です。自民党は総選挙前の通常国会で公明党と強行成立させた改定規正法で、脱法的に支出されていた政策活動費を条文に書き込み一度は合法化しました。
■ブラックボックス
自公過半数割れの審判を受けて提出した再改定案では「政策活動費の廃止」を打ち出す一方、「外交上の秘密」や「業務に関する秘密を害するおそれ」などの支出を「公開方法工夫支出」とし、監査を第三者機関が行うとしました。
日本共産党の塩川鉄也国対委員長が衆院政治改革特別委員会で行った質問で、国会に設置する第三者機関に提出する「公開方法工夫支出」の領収書等の写しや同機関の議事録の公開は想定されていないことが明らかになりました。
政治資金は例外なく公開して国民が監視するのが原則です。第三者機関でお墨付きを与えたり、隠れみのにするのは許されません。このため日本共産党は公明・国民民主が提案し自民党などが求めていた第三者機関設置に反対しました。
■「公開」しても賄賂
裏金問題で厳しい審判を受けてなお自民党は企業・団体献金にしがみつき、「(企業献金は)国民の浄財」「禁止より公開が大事だ」(石破茂首相)と開き直っています。
裏金にまみれた党が、その反省抜きに「公開」を言うのはおこがましい限りですが、企業・団体献金は「公開」されようとされまいと“政策買収”であることに変わりはありません。
自民党と経団連の関係をみれば一目瞭然です。経団連は毎年、自民党を「政策評価」して「課題」を示し企業献金を呼びかけています。原発の再稼働・新増設、労働法制の規制緩和、消費税10%への引き上げ、法人税25%への引き下げ、社会保障給付費の伸び抑制など、その通りになっています。これが賄賂ではなくて何なのか。世論調査でも「企業・団体献金によって政党の政策がゆがめられる」は61%(「朝日」16日付)です。
企業・団体献金の扱いは来年3月までに結論を得ることになりました。
論戦の場が移る参院に日本共産党は、政治資金パーティー券購入を含めた企業・団体献金全面禁止法案と政党助成法廃止法案を提出しています。企業献金は政治をゆがめ、国民主権と相いれず、国民の参政権を侵害します。
企業・団体献金を全面禁止し個人献金に依拠した政党活動か、企業・団体献金を温存し税金も受け取る“二重取り”を続けるのか―日本共産党案は各党の態度を問うものとなるでしょう。会期を延長してでも徹底的に議論して実現するのが国会の責務です。