2024年12月17日(火)
避難所トイレの改善
政府が新指針 男女比率1対3に
共産党要求実る
政府は13日、1月に発生した能登半島地震を踏まえ、避難所の運営指針を改定しました。被災地などで最低限守るべき指標を定めた国際基準を取り入れ、「トイレは20人に1基」などと明記しています。日本共産党は国会などで、トイレの改善など避難所の環境改善を求めていました。
政府は、各国の赤十字社などをメンバーとする団体が策定した国際基準「スフィア基準」を採用。トイレに関しては発生当初は「50人に1基」、その後は「20人に1基」を配備し、男性用と女性用の比率を1対3とするよう推奨。自治体には簡易トイレの備蓄や誰もが使いやすく清潔なトイレの確保に努めるよう求めています。入浴施設は「50人に一つ」との基準を示しました。
避難所内の1人当たりの居住スペースは、畳2畳分に相当する「最低3・5平方メートル」を明示。段ボールベッドなどが置ける広さの確保と雑魚寝解消をめざし、簡易ベッドと間仕切りは「開設時からの設置」を促します。
このほか、被災者に温かい食事を提供する必要性も強調。地域内でキッチンカーを手配するなどの取り組み事例を紹介しています。
日本共産党の井上哲士議員は1月の参院予算委員会で、能登半島地震で急務となっていた避難所の改善を取り上げ、「トイレは男女共用で、夜は照明も少なくて怖くて使えない」と女性の立場に立ったトイレの改善を要求。3月の同委員会でも避難所・避難生活学会が提唱する「TKB48」(清潔で洋式のトイレ、温かい食事を提供できるキッチン、段ボール等のベッドを発災時から48時間以内に整備)を紹介し、「国として大規模な分散備蓄が必要だ」と主張していました。
政府を動かした
井上議員談話
地震では助かった命が劣悪な環境のなかで失われるなどの避難所の実態への被災者や支援者の怒りの声が政府を動かしました。自治体任せにせず、新基準実行のための国からの支援を強く求めたい。