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2024年10月1日(火)

主張

政党助成金報告書

裏金つくって税金依存の異常

 違法な裏金づくりに手を染めながら、国民の税金を山分けして湯水のように使う。それでも余れば返さずため込む―。政党のあり方が根本から問われる深刻な事態です。

■ため込み額301億円

 総務省が、2023年の政党助成金の使途報告書を公表しました(27日)。9党が約315億3700万円を山分けし、自民党はその半分の159億1000万円を受け取りました。

 23年といえば裏金事件の捜査が本格化した時期です。自民党は実態解明にまったく乗り出すことなく、国から受け取った政党助成金を裏金議員が代表を務める政党支部などにばらまいていたことになります。議員1人当たり1200万円というから驚きです。

 9党の政党助成金の支出総額は268億5900万円でした。自民党はその4割の116億8900万円を支出。人件費や事務所家賃、物品購入、記念品、選挙の公認・推薦料、大会会場費、宣伝物などあらゆるものに使っていました。

 政党助成金の原資は、国民1人当たり250円の税金です。最低限、余ったら国庫に返納するのが世の常識ですが、政党助成法では政党が「基金残高」の名でため込む返還逃れの道が設けられています。

 23年末時点のため込み総額は22年に比べ約46億5000万円増の301億9500万円にまで膨れ上がりました。その9割近くが自民党(258億3300万円)です。4000万円、7000万円を超すため込みをした裏金議員もいれば、裏金事件で捜査当局に関係書類を押収され、支出額や内訳をすべて「不明」と報告書に記載して平然としている議員もいます。

■支持で活動資金を

 政党は、共通の理念・政策を実現するために自主的に集まる組織です。それを税金で支えるのはそもそも筋違いです。政党助成金は「思想・信条の自由」「政党支持の自由」を侵す憲法違反だとして日本共産党は1995年の制度発足以来一貫して受け取らず、国会に廃止法案を提出し続けている唯一の政党です。

 先の通常国会で与党が強行成立させた改定政治資金規正法には、所属議員に規正法違反があった場合、政党助成金の一部を交付停止することが盛り込まれました。自民党総裁選では裏金額相当分を国庫に返納する主張までありました。これらは政党助成金を罰則措置として持ち出すことで裏金事件の真相究明をそらすだけでなく、政党助成金制度そのものを固定化させるものです。

 政党は、国民の中で活動し支持を得て、国民から浄財を集め、活動資金をつくることこそ本来の姿です。政党助成金もパーティー券購入を含む企業・団体献金も一切受け取らない日本共産党は、党費と「しんぶん赤旗」の購読料、国民の寄付で党を運営しています。苦労して資金を集めず、政党の運営資金の大半を政党助成金に依拠する「官営政党」になることは、金への感覚をまひさせ、腐敗政治をつくり出す根源の一つとなっています。裏金事件に無反省、政治をゆがめ政党を堕落させる企業・団体献金と政党助成金を受け取り続ける政党に総選挙で厳しい審判を下しましょう。


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