2024年3月1日(金)
能登半島1.1地震
仮設入居いつに…
全域断水 応援で修繕
発災2カ月 石川・珠洲
北陸地方を襲った能登半島地震は1日で、発災から2カ月となります。震度6強の揺れを観測した石川県珠洲市では、29日午後2時現在で災害関連死をあわせて103人が死亡し、全半壊の住宅は5600棟を超えました。市内の避難所(43カ所)には1225人が身を寄せ、県内外の宿泊施設で2次避難を続ける人もいます。ほぼ全域の約4650戸が断水し、依然として不便な生活が続いています。(丹田智之)
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珠洲市内の災害ごみ集積場では29日、がれきを運ぶトラックが数分おきに出入りしていました。住宅の公費解体は始まったばかりで、今も市街地には倒壊した建物が道をふさいでいる場所があります。
1人暮らしの女性(87)=同市正院町=は、仮設住宅の入居を申し込んで「落選」が続いたといいます。今後の住まいが決まらず、避難所で「みじめさを感じる」と疲れた表情で話します。
自宅は地震で傾きました。壊れた壁の隙間から雨が入ります。罹災(りさい)証明で「全壊」と判定されました。家の片づけをしながら「県内に住む長男が10日に1回くらい来てくれる。普段は移動の足がないので、買い物にも行けない」と不自由な生活を語りました。
水道管の漏水箇所は、応援に駆けつけた自治体の職員と業者が急ピッチの作業で修繕を進めています。
市内に活動拠点を設けている名古屋市上下水道局の稲田覚史・配水設計課長は「半日に1カ所のペースで修繕を進めていますが、道路の状態が悪く、土砂が崩れているなど作業が困難な場所もあります。避難所や病院の周辺は優先的に作業し、市街地を中心に活動の範囲を広げていきたい」と語ります。
市立上戸小学校の給水所で洗濯用の水を容器に入れた女性(61)は、地盤の液状化で自宅が傾きました。崩れた外壁にシートをかけています。今後について「仮設住宅の入居を申し込みましたが、近所には家が倒壊した人もいる。いつになったら入居できるだろうか…」と不安げな様子でした。