2023年12月6日(水)
大学の声聞かず強制
国大法改悪案 吉良氏に光本参考人
参院文科委
|
大学の自治をおびやかす国立大学法人法改悪案の参考人質疑が5日、参院文教科学委員会で行われました。同案は、政令で指定する大規模な国立大学に、事実上の最高意思決定機関となる「運営方針会議」(合議体)の設置を義務付けます。
北海道大学大学院教育学研究院の光本滋准教授は、同会議の設置というガバナンス体制の大きな変更を「大学の意見を聞くこともなく上から決めている」と批判。設置を義務付ける大学は政令で指定されるため、「政府のさじ加減次第」で拡大し得ると指摘しました。
また、中期目標の審議権は学内に存在するものの、最終的な議決権は運営方針会議が持つことになり、「大学が持つ中期目標の原案策定権の意義を喪失させかねない」と主張しました。
日本共産党の吉良よし子議員は、財務や経営に強い学外者が中心となって大学の主要方針を決めることで、「稼げる大学」づくりが進む危惧があることについて質問しました。
光本氏は、北海道大学で工学部の学科の定員を50人増やし、その分ほかの学部の定員を削ることが決まったと紹介。定員が削られる学問分野は社会的要請がなく価値が劣るわけではないと強調し、「こういった取捨選択、組織の改廃が、ますます今度は『合議体の決定』という形で頻繁に行われていくのではないか」と危機感を表明しました。