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2023年12月4日(月)

軍拡43兆円 円安でも矛盾

輸送ヘリ価格 4年で3倍

 輸送ヘリの価格がわずか4年で3倍に高騰―。安保3文書に基づき、岸田政権が推進する大軍拡が深刻な矛盾に直面しています。

 鈴木俊一財務相は11月27日の参院予算委員会で、大型輸送ヘリCH47(チヌーク)が2019年度中期防衛力整備計画の平均単価76億円から陸上自衛隊分で109億円増(+145%増)、航空自衛隊分は140億円増(+185%増)になったと説明しました。立憲民主党の辻元清美議員への答弁。

 軍事費をめぐる経費などの上昇はすでに防衛省が8月に公表した24年度予算の概算要求でも明らかになっています。23年度予算案で2208億円だったイージス・システム搭載艦1隻あたりの建造費が、概算要求では3950億円にも膨れ上がりました。

 調達価格の上昇はこれだけにとどまりません。10月27日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に示された資料によると輸送機C2は67億円増(+29%増)、哨戒機P1は102億円増(+45%増)、哨戒ヘリSH60K(能力向上型)は27億円増(+38%増)、たいげい型潜水艦は246億円増(+35%増)、16式機動戦闘車は1・8億円増(+25%増)、10式戦闘車は3・4億円増(+26%増)―などの装備品が軒並み上昇しています。

 同資料では、価格上昇の要因として部品の価格上昇や円安などをあげています。27日の参院予算委で木原稔防衛相は、装備調達計画策定時に1ドル=108円のレートを用いて算出したものの、23年度のレートは1ドル=137円に上昇していると述べました。単純計算で、1・27倍です。

 岸田文雄首相は同日、こうした物価高騰や円安のもとでも「5年間で43兆円」とした軍事費について、「この範囲内で防衛力を強化する方針は変わらない」「(財源確保のため)大増税が待っているという指摘は当たらない」と繰り返し強調しました。しかし、円安傾向も物価上昇も継続しており、現在の枠内では破たんすることは目に見えています。社会保障費など国民生活に直結する予算の切り詰めや、さらなる大増税の危険性は高まる一方です。


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