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2023年1月26日(木)

主張

細田氏と統一協会

深まる疑念 逃げは許されない

 衆院議院運営委員会理事らが細田博之衆院議長と議長公邸で面会し、同氏と統一協会の関係について質疑をしました。細田氏は「やましい付き合いはなかった」などと述べ、癒着してきたことへの反省を示しません。会合に何度も出席した経過などもまともに説明せず、無責任な姿勢に終始しました。一方、安倍晋三元首相と統一協会については「大昔から関係が深い」と語りました。安倍氏と近かった有力政治家が、安倍氏が統一協会と長年つながっていたと明言したのは初めてです。疑惑は一層深まりました。癒着の究明を終わらせることはできません。

「大昔から関係」解明を

 細田氏は2014~21年、自民党内でも統一協会ととりわけ強い関係を築いたとされる派閥「清和政策研究会」(現在の安倍派)の会長でした。安倍氏亡き後、統一協会と最も密接な関係を持った国会議員と指摘されています。

 自民党は昨年の「自主点検」で、会派離脱中を理由に細田氏を対象から外しました。細田氏は昨年9月と10月、参加した会合などを箇条書きにしたA4用紙で1~2枚の文書を公表しましたが、真相解明には程遠い内容でした。国民の声に背を向ける不誠実な姿勢に、「三権の長」でもある衆院議長にふさわしくないと厳しい批判が上がっていました。

 今回の理事らによる質疑は非公開でした。細田氏は19年、統一協会の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が出席した関連団体の会合で、会の内容を安倍氏に「早速報告したい」と発言しました。このことについて、「安倍氏と近い団体と知っていたのでリップサービスで言った。安倍氏には報告していない」と述べました。

 派閥会長として選挙の際に統一協会の組織票を差配したかについては「思い当たる事実はない」と主張しました。しかし、元自民党参院議員らは統一協会の票について細田氏と相談したと証言しており、疑問は残ります。

 また、「悪いことをしている団体」という認識はなく、安倍氏の事件後に「さまざまな報道がありびっくりした」などと述べました。統一協会の反社会的な活動が多くの被害を引き起こしていることは広く知られていました。統一協会の「広告塔」になっていたことに反省もなく、人ごとのように語る姿勢は大問題です。議長としての資格が問われます。

 安倍氏と統一協会の関係については「長い間に実感していた」としつつ、誰から聞いたということはないとはぐらかしました。核心部分のごまかしは通用しません。統一協会と表裏一体の国際勝共連合を日本に引き込み、関係を強めたのは岸信介元首相です。その流れは安倍派に引きつがれました。細田氏は、安倍氏と統一協会の関係を全て明らかにすべきです。

公の場で説明すべきだ

 時間が限られた非公開の質疑では全容究明に限界があります。細田氏には、議院運営委員会など公開された国会の場で、国民に向かって説明する責任があります。

 岸田文雄首相は昨年の内閣改造で、統一協会と関係を断つとしましたが、議員任せの「自主点検」で終わらせています。新たな接点の事実が浮上しても調査しようとしません。不誠実な姿勢に国民の不信は高まっています。疑惑の幕引きは許されません。


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