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2022年11月27日(日)

主張

政治資金収支報告

国民への説明責任が問われる

 岸田文雄政権が「政治とカネ」疑惑で追及される中で、政党や政治団体の2021年分の政治資金収支報告書が公表されました。自身の政治資金問題で批判を浴びた寺田稔前総務相は先週更迭されました。しかし、他の複数の閣僚の「政治とカネ」にまつわる問題は広がりをみせています。総選挙があった21年分の政治資金収支報告書でも、疑念を持たれるケースが後を絶ちません。問題を指摘された閣僚は国民への説明責任を果たさなければなりません。本人任せで済ませようとする岸田首相の責任が厳しく問われます。

閣僚に新たな問題が次々

 政治資金収支報告書は、政党や政治家の活動が「国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため」(政治資金規正法第1条)に毎年提出されています。

 寺田前総務相は政治資金を所管する閣僚でありながら、虚偽記載をはじめ政治資金規正法違反などが相次いで疑われ、辞任に追い込まれました。後任の松本剛明総務相には政治資金パーティーをめぐる疑惑が本紙報道(22日付)で発覚しました。18~20年に、会場収容人数を大幅に上回るパーティー券(1枚2万円)を販売していました。参加予定のない者が購入した場合は寄付にあたる可能性がありますが、収支報告書には記載されていません。21年分の収支報告書でも同様でした。2代続けて総務相に政治資金規正法違反の疑いがかけられる異常な状況です。

 秋葉賢也復興相の疑惑は底なしです。事務所の賃料をめぐる不透明な資金の動きなどに加え、選挙運動員買収も取りざたされています。21年分の収支報告書では、一切関係ないと説明していた統一協会側に資金を支出していたことが判明しました。閣僚の資格に関わる大問題です。

 岸田首相の関係団体も、ただし書きや宛名のない領収書が収支報告書に数多く添付されており、問題になっています。どの疑惑も全容の解明が必要です。

 21年、自民党本部には企業・団体献金の受け皿となっている政治資金団体「国民政治協会」から24億7000万円が入りました。営利を目的とする企業が献金するのは見返りを求めるためで、金権腐敗の温床になっています。

 経団連は、政党の政策評価を毎年発表し、自民党などへの献金を会員企業に促しています。今年も10月に原発推進など大企業本位の政策を掲げる岸田政権を高く評価し、「寄付の拡大」を図ることを呼びかけました。「政策買収」ともいわれる企業・団体献金を全面禁止することは、清潔な政治を実現する上で不可欠です。

汚れた政治を一掃する時

 自民党本部収入の7割近く(169億4781万円)は政党助成金です。企業・団体献金を受け取ると同時に、税金ももらう姿勢は、国民の中で活動するという政党本来のあり方からかけ離れています。政党のモラル崩壊と劣化も引き起こします。

 日本共産党は今年、企業・団体献金の全面禁止法案と政党助成金制度の廃止法案を国会に提出しました。汚れた政治を一掃するために、力を合わせましょう。

 「政治とカネ」疑惑や統一協会との癒着をめぐり岸田政権への不信は高まるばかりです。首相は内閣総辞職を決断すべきです。


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