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2022年11月10日(木)

徹底追及 統一協会

献金強要「神のため」

「ノルマあった」 元信者ら口々に

 統一協会(世界平和統一家庭連合)が信者家庭に献金を強要することで、信者の子どもまで経済的に困窮しています。協会側は献金ノルマの存在を否定しますが、元信者らは口をそろえて断言します。「ノルマはあった」と。(統一協会取材班)


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(写真)「生活が苦しくても献金すべきか」との質問に答える統一協会の教会長ら(統一協会の「SEISYUN TV」から、一部加工)

 統一協会が信者2世の青年にむけて限定配信している「SEISYUN TV」というネット番組があります。8月7日には、中堅どころで2世の教会長らが、若い2世の質問に答える「特番」が配信されました。そこで出た質問は「生活が苦しい場合、それでも献金をささげるべきものなのですか」。

 教会長たちからは「(スタジオ中に)緊張感がある」「ナイーブな問題」「家にお金がなくて部活できないことがあった」という言葉がもれました。2世たちが献金を重く感じている―そんな場面でした。

 統一協会が実施した2世たちへのアンケートでも「一般家庭と比べて自分の家庭が貧しいと感じたことはあるか」という質問に、「感じたことがある」が33・4%、「やや感じる」が26・3%に達しました。

 複数の元信者によると、2009年前後に霊感商法が刑事摘発されて以降、より過重な献金を信者に求めるようになってきたといいます。

目標割り振り

 関係者によると統一協会の組織はおおまかに、日本本部―地区―教区―教会―区域―信者家庭という構成です。協会の勅使河原秀行・改革推進本部長は「ノルマはない」としつつも、本部が献金を含む全体の予算をつくって、教区の段階まで割り振っていたことを認めています。

 統一協会関係者は本紙の取材に「ノルマがあるのは事実。教区が教会に目標を割り振る。本部は教会まで目標を把握している。当然、教会から区域、信者家庭におりていく」と証言します。

 都内に住んでいた元信者は、統一協会の教会から献金を求めるファクスが頻繁に届いていたといいます。

 「何月までに、摂理(神の計画のこと)を完成させないといけないから、神様のためにいくら献金しなさいという感じの内容でした。信者だったときは毎晩、祈祷(きとう)会をしていましたので、ファクスを『訓読』していました」

日本をエバ国

 関係者によると、日本の統一協会が韓国本部をはじめ世界の活動を金銭的に支えています。統一協会は日本を「エバ国」、韓国を「アダム国」とします。植民地支配の贖罪(しょくざい)などとして、エバ国日本がアダム国韓国に貢げ、という教えです。

 日本が朝鮮半島を植民地支配し、多くの被害を与えたのは事実です。しかし日本が贖罪すべき相手は朝鮮半島出身の人たちです。統一協会=開祖文鮮明、韓鶴子夫妻に献金することではありません。

 ある信者2世は憤ります。「統一協会の活動は時代の流れとともに形を変えてきた。しかし、いつの時代も活動目的は変わらず『金集め』だ。お金を出さないと不幸になると恐怖を植え付けたり、お金を出すと御利益があると根拠のない効果をうたったりして、お金を集めている」


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