2022年5月19日(木)
GDP実質 年1%減
1~3月期 弱体経済 欧米との差歴然
内閣府が18日発表した2022年1~3月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・2%減少しました。この成長が1年続いた場合の年率換算で1・0%減でした。マイナス成長は2四半期ぶり。新型コロナウイルス変異株の感染拡大に伴う「まん延防止等重点措置」の影響で、内需の柱である個人消費が振るいませんでした。雇用者報酬は前期比0・4%のマイナスでした。
GDPの水準は、消費税増税が直撃した19年10~12月期をなお下回っています。「アベノミクス」によって弱体化した日本経済は、コロナ前水準を回復している欧米に大きく立ち遅れています。
個人消費は前期比0・03%減少しました。外食や宿泊、旅客輸送といったサービス消費が振るいませんでした。住宅投資は、建築材の高騰が響き1・1%減でした。
輸出は自動車が持ち直して1・1%増でした。一方、輸入は3・4%の増加となり、外需は全体で0・4%分のGDP下押し要因となりました。名目GDPは前期比0・1%増、年率換算で0・4%増と2期連続のプラスでした。21年度は前年度比2・1%増と3年ぶりのプラスでした。
足元では、ロシアのウクライナ侵略により、世界経済が大きな打撃を受けています。さらに、日米間の金利差を背景にした円安によって輸入物価の高騰、原材料価格や燃料の高騰が消費を一段と冷え込ませる可能性があります。