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2022年5月14日(土)

規定違反 是正されず

知床沈没 行政指導資料で判明

 北海道・知床半島沖で沈没した観光船「KAZU I(カズワン)」の運航会社「知床遊覧船」(斜里町、桂田精一社長)が昨年10月の時点で安全運航のために是正すると国に報告していた内容を守っていなかったことが13日、国土交通省が日本共産党の武田良介参院議員に提出した資料で分かりました。

 カズワンは昨年5月と6月に2度の事故を起こしています。これらの事故を受け、国交省北海道運輸局が同年7月に行政指導をしました。

 同社は「安全管理規程の理解が不十分だった」と認め、桂田社長やカズワンの豊田徳幸船長らが参加した会議で「社長が不在の場合であっても運航管理補助者を配置し、船長(海上)と連絡体制を構築すること」などを確認しました。

 国交省の資料によると、豊田船長は昨年10月13日に行政側の担当者から改善状況の確認を受けています。この際に豊田船長は、連絡体制について「社長が不在の場合も必ず事務所に補助者がいる」と述べたとされます。

 4月23日の事故当時、安全統括管理者と運航管理者を兼任していた桂田社長は事務所に不在でした。同社の安全管理規程に、運航管理補助者の名前は記載されていませんでした。

 行政側の担当者は昨年10月の時点で「以前より安全と法令順守意識が向上したことを確認できた」と報告しており、こうした問題点は見過ごされていました。


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