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2022年5月14日(土)

防衛省官製談合 顧問逮捕の企業

自民・逢沢議員に3年で1350万円献金

公共事業多く受注 “癒着生む”

 防衛省近畿中部防衛局が発注した施設工事をめぐる官製談合事件で、顧問が逮捕された建設会社「アイサワ工業」(岡山市、資本金15億5千万円)が、自民党の逢沢一郎衆院議員が代表の自民党岡山県第1選挙区支部に2018年からの3年間で計1350万円を献金していたことが13日、政治資金収支報告書から分かりました。(「政治とカネ」取材班)


 逢沢議員の資産等報告書などによると、同氏はアイサワ工業の株を15・1%(275万2779株)保有する大株主です。同社は公共事業を多く受注しており、献金は税金が還流した形となります。

 政治資金収支報告書によると、自民党岡山県第1選挙区支部は、アイサワ工業から18~20年の3年間で毎年450万円、合計1350万円の献金を受け取っています。近年では、一企業からこれだけ多額の献金を継続的に受けている政治団体はまれです。

 この事件では、近畿中部防衛局が20年11月に発注した航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)の研究施設工事をめぐり、元同局課長の稲垣正義容疑者(60)と、同省OBでアイサワ工業顧問の村上泉容疑者(65)が官製談合防止法違反容疑で愛知県警に逮捕されています。

 稲垣容疑者は、アイサワ工業側が有利になるように入札情報を漏らした疑いがもたれています。アイサワ工業が参画する共同企業体(JV)は、この工事を約56億円で落札しました。

 逢沢議員は当選12回のベテラン。外務副大臣や自民党国対委員長などを歴任してきました。アイサワ工業は同氏の祖父が1912年に創業。売上高は約297億円(21年5月期)です。

 本紙は、逢沢議員とアイサワ工業に献金の理由などについて質問しましたが、ともに期限までに回答はありませんでした。

説明責任

 政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之・神戸学院大学教授の話

 企業献金はそもそも政治との癒着を生みます。また公共事業受注企業からの献金は、税金の還流となります。そのような中で官製談合事件が起きれば、献金と政治力との相関関係が疑われることになります。事件にかかわる企業から献金を受けた議員には当然、説明責任が生まれます。


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