2022年5月10日(火)
遊覧船安全管理 甘い
知床事故 紙氏が行政責任追及
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日本共産党の紙智子議員は9日の参院決算委員会で、知床半島沖で遭難した遊覧船「KAZU I(カズワン)」に関し、遊覧船の安全管理規程が事実上事業者まかせで行政の運用ルールが甘いとして、見直しを求めました。
紙氏は、遊覧船の安全管理規程では波の高さや風速などの出航条件が届け出制となっていることを指摘。出航は届け出どおりであるかどうか、行政がチェックしているのかどうかとただしました。斉藤鉄夫国交相は「国交省の監査などで安全管理規程などを順守していないと判断すれば、指導を行う仕組みだ」と答えましたが、運航時のチェック体制については答えませんでした。
また紙氏は、カズワンが事故前の検査(4月20日)で通信手段を通常の携帯電話にしたいとの申請があった際に、日本小型船舶検査機構(JCI)が「携帯電話のつながる範囲外でもつながることがあるので認めた」としたことについて、「JCIの内規があるというが、このようないいかげんな内容なのか」と質問。斉藤国交相は「JCIが内規で定める特例的な検査方法は(国交省に)提出されるものではない」と答えました。
紙氏は「安全管理規程を届ければ事実上事業者まかせ、JCIは携帯電話がつながらないエリアがあっても認めるなど、安全運航のための行政の責任が果たされていない。カズワンの事業者責任は非常に大きいが、行政の運用ルールもあまりにも甘く、見直しが必要だ」と主張しました。