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2022年5月5日(木)

核抑止論は無力 9条生かした平和外交を

BS番組 井上議員が主張

 日本共産党の井上哲士参院幹事長は憲法記念日の3日夜、BSフジ番組「プライムニュース」に出演し、憲法改定をめぐり9条や非核三原則などについて自民党の新藤義孝政務調査会長代理、立憲民主党の奥野総一郎国対委員長代理、日本維新の会の馬場伸幸共同代表と議論しました。

 自民党改憲案に基づく政令による人権制限や内閣への権限集中などを含む「緊急事態条項」について井上氏は、緊急勅令を乱用して政府に権力を集中し暴走した結果、人権が蹂躙(じゅうりん)され戦争につき進んだ歴史の反省にたち二度と戦争を起こさないとの決意のもとでつくられたのが日本国憲法だと主張。コロナ禍で政府の不十分な補償や公立小中学校一斉休校が現場に混乱を招いたことを挙げ、「緊急の時こそ権力集中ではなく知恵や国民の声を集中することが必要だ」と述べました。

核は絶対悪 なくすしか

 憲法9条改定の議論で馬場氏は、米国が中国や北朝鮮の攻撃を受ける危険を冒してまで核で日本を守る保証はないと主張した上で非核三原則の「持たず、つくらず、持ち込ませず」の「持ち込ませず」を除いた「“非核二原則”でもよい」と強弁。9条との整合性を問われると、「そこで9条の改正が浮上してくる」と発言しました。

 井上氏は、「核兵器の持ち込みのために、9条を改憲するなどとんでもない話だ」と厳しく抗議。新藤氏が「核の拡大抑止こそが日本の根本のセーフティーネット(安全網)だ」と主張したのに対し、「被爆2世として許せない。核抑止論はいざとなれば広島・長崎の惨禍を繰り返すことをためらわないということだ」と怒りを込めて批判。核兵器を持っていればその使用が止められるとして核兵器を正当化する核抑止論は、国家戦略に核の使用をすえ、使用をためらわないプーチン大統領のような指導者を前に無力だとして、核兵器は絶対悪であり、なくすしかないと強調し、核兵器のない世界を言いながら核兵器禁止条約に背を向ける政府の姿勢を批判しました。

平和の態勢 東アジアに

 自衛隊について井上氏は、先駆的意義をもつ憲法9条に合わせて憲法違反の自衛隊の現実を変えていく立場だと表明。安保法制を廃止し、軍事対軍事の悪循環でなく、平和の外交を通じてアジアとの平和的友好関係を築く中で、圧倒的国民の合意によって段階的に9条を完全実施するとして、その過程で万が一の急迫不正の侵害には自衛隊を含めあらゆる手段を使って命と主権を守ると述べました。

 新藤氏が、共産党が政権入りすれば違憲とする自衛隊を「行使」するかとの質問に井上氏は、「自衛隊を行使(活用)するのは時の政権だ。党としては違憲の立場だが、党が参加する政権は合憲の立場であり、国民多数の合意なしに違憲とはしない。行使に問題はない」と述べました。

 最後に井上氏は、9条のもと、戦後自衛隊は海外で一人も殺しておらず戦死者もいないと強調し、「9条を生かして東アジアに平和の態勢をつくることこそ求められる」と主張しました。


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