2022年4月26日(火)
知床観光船事故3日目 「不明者見つかって」
地元漁師 早朝から捜索
北海道・知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が消息をたって25日で3日がたちました。同日は海上保安本部に加え、地元の漁師らが協力して、早朝からの捜索活動が続きました。(津久井佑希)
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午前5時すぎに出航した漁師の男性は、10時間近く現場付近で捜索に参加しました。帰港後、「僕らの船では今日は何も見つからなかった」と疲れた様子で話しました。
カズワンが消息を絶ったとみられる現場は、ウトロ港から片道で約1時間かかります。船上から目視で捜索したといいます。「こういう事故は自分たちの身にも起こるかもしれないから、ウトロの仲間として捜索に協力している」と語ります。
ウトロ港付近では、地元の人たちが乗客乗員の安否を気遣っていました。多くの漁師客も訪れるという理髪店の女性は「ウトロの住民はみんな、乗客乗員全員がどんな形ででも見つかってほしいと思っている」と声を落とします。「3歳の子どもの遺体も見つかったって…」と声を詰まらせました。
25日は、港周辺は穏やかな晴天に恵まれました。ただ地元関係者によると、沖は風の影響で海にうねりが出ているといいます。
漁師歴50年以上の男性(70)は、事故のあった23日に漁に出ていました。「午前5時に出発して沖まで出たけど風があったから、すぐに帰ってきたよ」と話します。
いまは春のサケ漁の定置網を沖で準備する時期だといいます。「波くらいなら漁に出られるときもあるけど、風は少しでも吹いていたら漁に出ない。危ないから」
ウトロ港で漁の片付けをしていた漁師の男性(36)は「自分なら事故があった日の風なら漁には出ない」といいます。事故当日は別の場所で漁をしていました。「後でニュースを見て事故を知った。『この天気で海に出たんだ』と驚いた」と振り返ります。