2022年4月22日(金)
米中と対等関係こそ
経済安保法案めぐり参考人
参院委で田村氏
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参院内閣委員会は21日、経済安全保障法案に関する参考人質疑を行いました。
坂本雅子参考人(名古屋経済大学名誉教授)は法案について、日本の軍事面での安全保障政策の新たな段階であり、米国の軍事・経済両面での対中国を軸に据えた世界戦略の展開と一体に浮上したと指摘しました。
軍事・経済の両面でAI(人工知能)、半導体など新情報技術が必須となり、中国は同分野で著しく成長しています。坂本氏は、米国が経済的・軍事的覇権のために中国企業の排除を進め、日本政府と企業にも同様の行動を求めたとして、法案は「米国の動きに呼応・連動している」と指摘。しかし中国は日本の最大輸出国で「中国排除は企業に過大な負担を強いる」として、「日本の進路は米中双方と対等の経済関係を維持し、自主性と中立・平和を守るべきだ」と訴えました。
日本共産党の田村智子議員は、米国の経済安保政策と軌を一にしていると指摘し、企業活動や自由な研究活動の萎縮の恐れがあるとして法案の規定・規制の不明確さを追及。坂本氏は密接な経済関係にある中国を明確に排除すれば「国民感情、企業感情で受け入れられない」と述べ、白石隆参考人(熊本県立大理事長)は「米国と軌を一にするというのは、その通りだ」と語りました。
原一郎参考人(経団連常務理事)は、田村氏がビジネスの懸念を具体的にただしたことに対し、「民間開発の技術が軍事に転用され得るとなると企業が意図しない形で軍事に使われる。デュアルユース(軍事転用)が全てだと言われるとビジネスは成り立たない。(政府は)機微技術が何か示してほしい」と述べました。