2022年4月22日(金)
「敵基地攻撃能力」保有に踏み込む危険な道――憲法9条違反は明瞭
自民の提言案 志位委員長が会見
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日本共産党の志位和夫委員長は21日、国会内での記者会見で、自民党安全保障調査会が国家安全保障戦略の改定に向けてまとめた提言案について「敵基地攻撃能力」(反撃能力」と改称)の「保有」へと踏み込んでいるとして、安保法制のもとで米軍とともに「指揮統制機能等」=相手国の指導部まで攻撃し全面戦争に発展しかねない極めて危険なものだと厳しく批判しました。
志位氏は「これまで『敵基地攻撃能力』の『保有の検討』が政府の立場だった。『検討』を、『保有する』という結論に持っていこうという動きだ」と指摘。これまで政府が国会で、「平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っていることは、憲法の趣旨とするところではない」(1959年3月19日の衆院内閣委員会、伊能繁次郎防衛庁長官)、「文民優位を徹底するということ、非攻撃性の装備でなければならないということ、徴兵を行わないということ、海外出兵を行わないということ、これらは日本国憲法の命ずるところであると解す」(70年2月19日の参院本会議、中曽根康弘防衛庁長官)と答弁し、攻撃的な兵器=敵基地攻撃能力の保有は「憲法違反」だとはっきり表明してきたことを示し、「これは憲法9条との関係で決定的な矛盾が起こってくる」と強調しました。
さらに、「攻撃の対象を『敵基地』だけにせず、『指揮統制機能等』にまで広げようという議論も行われているようだ」と指摘。「『指揮統制機能等』=国の指導部まで攻撃対象にするとなると、全面戦争になる」と警告しました。
その上で、「この問題は、安保法制のもとでの議論だという点が非常に危険だ。日本に対する武力攻撃がなくても、アメリカがどこかの国との戦争を始めたときに、日本の自衛隊が一緒になって相手国の敵基地だけにとどまらず、『指揮統制機能等』までたたいていくということだ。絶対認めるわけにいかない議論だ。この道には厳しく反対するという立場で対応したい」と表明しました。
志位氏は「憲法9条を生かした外交の力で東アジアを平和な地域にしていく努力こそ必要だ」と強く主張しました。