2022年4月21日(木)
教育公務員特例法改定案などに対する吉良議員の質問(要旨)
参院本会議
日本共産党の吉良よし子議員が20日の参院本会議で行った教育公務員特例法改定案などに対する質問(要旨)は次の通りです。
法案で、政府は教員免許更新制を「発展的に解消する」としていますが、なぜ「廃止」ではなく「発展的解消」なのか。更新制は、教職の身分保障について「保護されるべきだ」とするユネスコ「勧告」に反するものです。中央教育審議会の「まとめ」も、教師の学びの「阻害要因になる」とまで言っています。
更新講習にかかる教員の負担感、「うっかり失効」、未更新からくる教員不足が生じるもとで、全国の教育現場から廃止を求める声が高まっていました。更新制の破綻は明白であり、きっぱり廃止すべきではありませんか。
法案では、更新制の代わりに「新たな教師の学びの姿」を実現するとして、都道府県教育委による研修の「記録の作成」と、管理職による「指導助言」を行うとしています。
教育公務員特例法では、都道府県教育委などに教員育成指標と教員研修計画の策定が義務づけられました。東京都は、勤務年数や役割に応じた段階ごとに学習指導力、生活指導・進路指導力などで詳細な「指標」を策定し、研修内容を細かく示しています。受講履歴も記録され、「都教委の研修を受けなさい」と指導されるそうです。これでも教員の「研修の機会の確保」や「知識技能の習得」が不十分なのでしょうか。
むしろ法案は、更新制の代わりに「研修の記録」「指導助言」によって、現在の研修の管理統制を強化するものではありませんか。
法案の「指導助言」は、人事評価の面談で行うことが想定されています。同じタイミングでの「指導助言」は、人事評価と明確に区別できるのでしょうか。面談で研修受講の有無などを確認されることは、教委・管理職の意に添う研修を受けなければならないとの忖度(そんたく)につながり、パワハラの温床となる可能性もあります。
中教審まとめで、「期待する水準の研修を受けているとは到底認められない場合」は、「職務命令に基づき研修を受講させることが必要」と明記され、衆院では職務命令に違反した場合、「厳正な措置を講じることもあり得る」との答弁もありました。懲戒処分を行うということですか。
いま問われているのは、教師が自主的・自律的に学び、研修できるゆとりと時間をどう保障するかです。全教青年部の調査で、「勤務時間内で授業準備をする時間」について「1日30分以内」「ない」は、小学校で61%、中学校で69%です。学びの保障には、教職員の長時間過密労働を解消し、教職員を抜本的に増やすことこそ急務ではありませんか。