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2022年4月20日(水)

こども家庭庁設置法案などに対する塩川議員の質問(要旨)

衆院本会議

 日本共産党の塩川鉄也議員が19日の衆院本会議で行ったこども家庭庁設置法案とこども基本法案への質問の要旨は次の通りです。


 今、子どもの貧困は約7人に1人。2020年度では虐待相談件数も不登校も20万件、いじめの認知件数51万件といずれも大幅に増加しています。子どもの権利条約の批准から約30年、政府は何をしてきたのですか。

 子どもの権利委員会からも、日本の子どもへの社会支出が低いことや貧困率が高いことへの懸念が出され、適切な資源配分を求める勧告とともに労働の規制緩和などが賃金格差をもたらしていると指摘されています。

 高度に競争的な学校環境が、いじめ、不登校、自殺などを助長している可能性があるとの懸念とともに、その悪影響を回避するため教育制度を見直すよう勧告されています。

 政府が勧告を放置してきたのはなぜですか。子どもの権利を大きく侵害してきたとの認識はありますか。

 憲法は基本的人権を保障し、子どもの権利条約は「生命、生存及び発達に対する権利」「子どもの最善の利益」「子どもの意見の表明・尊重」「差別の禁止」の4原則を掲げています。

 それなのに、自民党政治は子どもが一番長い時間を過ごす学校で、学習内容の詰め込みを強化。「強制的な力」によって生徒を「服従」させることを推奨する管理教育を推進。全国一斉学力テストの導入など競争教育をいっそう強化。教育基本法を改悪し、教育への国家介入、愛国心や競争・管理教育を押し付けてきました。憲法と4原則に逆行してきた自民党政治が、今の深刻な事態を招いたという反省はありますか。

 子どもの意見表明権を軽視し、理不尽な校則の温床となっている1994年文部省通知はただちに撤回するべきではありませんか。

 こども家庭庁設置法案に、子どもの権利条約という文言や4原則の規定がないのはなぜですか。なぜこども家庭庁には教育が含まれていないのですか。子どもの権利を保障するための独立した監視機関の設置もありません。新たな縦割りをもたらすだけで子どもの権利侵害を解決することにはならないのではありませんか。

 与党提出のこども基本法案にはなぜ基本理念に「子どもの養育は家庭が基本」と書き込むのですか。この規定は、虐待や貧困など家庭の中で苦しむ子どもや保護者をさらに追い詰めます。

 子どもを守り育てるのは社会の責任であることが、憲法と子どもの権利条約の精神であり、強調されるべきは国の責任で家庭への手厚い支援を行うことではありませんか。

 基本理念に「教育基本法の精神にのっとり教育を」とありますが、権利条約と矛盾する改定教基法が基本では、教育では4原則は保障されないということになりませんか。

 国際的に見て最低水準の子どもに対する支出を抜本的に増やすことが必要です。例えば、給食費や子ども医療費の無償化、児童手当などの抜本拡充を行うのですか。保育士などの処遇や児童福祉の専門職員の配置基準を改善するのですか。予算と人の確保こそが、子どもを支える活動をしている方たちの一番の願いです。組織の一本化だけでは、問題の解決にはならないのではありませんか。


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