2022年4月13日(水)
女性支援新法を提出 全会一致
倉林氏「相談員処遇改善を」
参院厚労委
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参院厚生労働委員会は12日、女性支援新法の委員会提出を全会一致で決定しました。公的支援(現・婦人保護事業)の根拠法を人権の理念が欠如した売春防止法から切り離し、新たな女性支援の根拠法を制定するものです。法案は超党派でまとめました。支援に取り組んできた関係者の長年の実践と要請が結実したものです。
日本共産党の倉林明子議員は質疑で、関係者に敬意を表するとともに、法の実効性を担保するためには財政措置の抜本的拡充が必要だと強調。公的支援事業の相談員の抜本的な処遇改善を要求しました。現在の婦人相談員の86%が非正規で、その割合も増加傾向にあります。倉林氏は、処遇改善を困難にしているのが2020年度導入の「会計年度任用制度」だと指摘。▽1年ごとの更新で3~5年で雇い止めとなるケースが少なくない▽賃金は月16万円未満が35%といった深刻な実態を示し、無期雇用への転換を求めました。後藤茂之厚労相は「地方公務員制度の運用のあり方の中で婦人相談員の適切な処遇の確保に努めていく」と答えました。
倉林氏は新法でも「婦人相談員」を、専門的技術に基づいて必要な援助を行う「女性相談支援員」に改めるのに、雇い止めでスキルアップを阻み、相談員自身を「困難を抱えた女性」にすることなどあってはならないと強調しました。また相談数は大幅に増加する一方で相談員は増えていないとして増員を要求。市区の財政負担を軽減し、全市区町村配置の目標を持つよう求めました。
さらに売買春・性搾取被害者を犯罪者とみなす一方、買う側は問われない規定が残っているとして、売春防止法の抜本的な見直しを求めました。