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2022年4月10日(日)

安倍氏“核には核で”

破滅の「核共有」議論促す

 安倍晋三元首相が『文芸春秋』5月号のインタビューで、「核共有」議論を改めて強く促しています。

 ロシアによるウクライナ侵略に乗じて、自民党の一部や日本維新の会が持ち出している、アメリカの核兵器を日本に配備し共同運用する「核共有」論をテレビで発信した“火付け役”が安倍氏です。

 安倍氏は、ウクライナに核があれば、ロシアの軍事侵攻はなかったのではないかとの議論があるとして、「核の抑止力は安全保障上の戦略において重要」と、プーチン大統領の核脅迫によって無力化している核抑止論を展開。さらに、抑止力が発揮するのは、攻撃すれば報復されるかもしれないと相手に思わせる「懲罰的抑止」だと強調し、「報復の可能性にどれだけ現実味・真実味をもたせられるかで効果も変わってくる」と述べ、日本が報復的核使用の意思決定に「深く関与」すべきだとしています。

 北大西洋条約機構(NATO)では、ドイツに配備されたアメリカの核(核の傘)が、非常事態にはNATO軍のコンセンサス(一致点)のもとにドイツ軍が戦術核を運搬し目的地に投下する例をあげ、「核兵器使用のプロセスに深くコミット(関与)できるためより大きな抑止力を保持することができる」などとしています。

 まさに核には核で、確実に報復するという主張で、危険な報復的打撃の議論をエスカレートさせています。

 プーチン氏のように、NATO諸国からの核による反撃が予想されても、核による先制攻撃を辞さないという国や指導者が現れるもと、核の撃ち合いで、地域全体にとどまらず地球的規模での破滅をもたらしかねない危険極まりない議論です。


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