2022年4月10日(日)
空中給油 過去にも実施か
米海兵隊 訓練激化と一体
米海兵隊が3月に甲府市など山梨県の富士山北側上空で実施した空中給油訓練は、同様の訓練を過去にも実施していた可能性があることが、9日までに各地の平和委員会などの監視・調査活動でわかりました。
横田基地(東京都)の監視活動を続けている羽村市の羽村平和委員会は、ウェブサイト公開の「放送型自動従属監視」(ADS―B)の航空機の航跡で、岩国基地(山口県)配備のKC130J空中給油機が富士山北側で過去に2回、給油のため陸上競技場のトラック状に旋回を繰り返し飛行していることを確認しました。
このうち2020年12月3日は、横田基地を午後2時47分に離陸し午後5時39分に帰還したKC130Jが飛行した同時間帯に、日米共同演習に参加する米海兵隊MV22オスプレイ6機が相馬原演習場(群馬県)に飛来。21年1月14日午前10時50分~11時10分すぎに飛行した際には、直後に岩国基地の米海兵隊FA18C戦闘攻撃機2機が東富士演習場で模擬弾投下訓練を実施しました。
3月9、23、24各日の空中給油では静岡県の沼津海浜訓練場と東富士演習での日米共同演習で対地攻撃訓練をするF35B戦闘機2機に給油。24日について、京都平和委員会が、9日は羽村平和委員会が富士山北部のトラック状の航跡を確認しています。
東富士演習場では12年以降、米海兵隊の歩兵大隊が日常的に訓練。最近では富士山や関東周辺、北海道・東北の演習場での陸上自衛隊との大規模な演習を実施するなど、米海兵隊の訓練激化と一体で、空中給油訓練も実施されていることになります。
放送型自動従属監視(ADS―B) 航空機が、測位衛星システム(GNSS)で確認した速度や位置、高度の情報を搭載した装置で放送して管制機関に提供し、航空機の管制や監視に利用するシステム。